和尚と華伽はリモコンミサイルを撃った後に、急いで北側に回った。
3階から窓を開けて見上げると
10階の外に偉王汰が吊り下がっているのが見えた。
しかし、ここからは行けない。
ロープが切れればいいのだが手裏剣は届かない。
ミサイルはもう無い。
落ちた偉王汰を受けとめる役もいない。
「シゲ!
偉王汰がまずい状態だ。
10階に行けるか?」
和尚が無線を入れる。
『こっちも傭兵に囲まれて…
《タタタタ》進めません。』
重烏の応答に銃声が混じっていた。
「偉王汰が
死んじゃうっっ!」
華伽
「いたぞ!
女とジジイだ。」
和尚と華伽にも傭兵が迫る。
「ええぃ。」
刀を抜いた和尚
「…兄者。」
華伽は脇差しの二刀流の構え
「カタナ!?」
傭兵は笑ってマシンガンを構えた。
「女は殺さないんだっけ?」
「使い道があるそうだ」
「へぇ」
「ジジイは使い道が無いな」
「あぁ。殺(や)って良い」
「臨、兵、倒…」
九字切りをする和尚
「ボウズが拝みだしたよ」
傭兵
「‥在、前。」
和尚と華伽は偉王汰を忘れ、落ち着きを取り戻した。
「ィエイッ!」
和尚は傭兵のマシンガンを腕ごと切り落としていく。
「ヤァ。ハッ。」
華伽はスラリとした脚で足払いをすると、倒した傭兵の首を二刀流で斬った。
《タタタタ》
《バツーン》《バツーン》
マシンガンやピストルの弾が飛び交う中で確実に1人ずつ倒した。