u.g 094 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

デパートの時計台には、ぼんやりと白く光る大きなアナログ時計がある。

バチン

分針が無情に進んで、23時55分を指す

男は、うなだれて視線を落とすとデパートの前に行列ができているのに気づいた。

「オイルショックを思い出すなぁ。
あの日も、みんながパニックで、このデパートにならんだっけ」

男は曲がったタバコをくわえて火を付けた。

「いまさら何を買うっていうんだ。」
歩道にしゃがんで、行列を笑った。


眺めていると行列はデパートを通り過ぎて大通りを進んだ。

路地からも、ビルからも人が出てきて、無言のまま行列に合流する。


「な、なんだ。
ゾンビがさまようみたいじゃないか。」
タバコを踏み消して行列に付いて行くことにした男


人びとは、雨粒が小川になる如く合流していき、大通りを埋め尽くした。

ただ無言で、荷物も持たずに歩いていた。



男もただ歩いた。



そして目的地と思われるスタジアムに着いた。



そして男は驚いた。

「なんだこりぁ!
宇宙…船。」

スタジアムを覆う程、巨大な宇宙船が浮かんでいた。