宇宙船のモニターは明るくなり緑色一色になった。
地上に出たのだ。
地下鉄に乗ったあの日以来、一年と数日ぶりの太陽光線である。
「ここは山の上だね。
早く外に出たい」
森田
先生が大野を起こす。
「ん。外?…本当だ。」
大野
「山?
ここは君たちの町の上だよ。
学校が見えるでしょ。」
宇宙人がモニターに学校を映し出した。
「何あれ。
学校がラピュタになった。」
中村
「校舎の窓から木が生えてる、うゎ、プールなんか植木鉢みたいだ!」
大野
「町が…林みたいになった。」
森田
「外になんて出られないよ。
放射能汚染さ。
今、地球が必死に浄化しているんだ。
地表には動物もいるけど、グロテスクなので映さないでおくよ。」
宇宙人
「放射能汚染で人類が…」
先生
「物質の最小単位の原子
が1つの星を壊滅させた。
なんて皮肉なんだ」
中村