地底の世界に来て一年と1日が経っていた。
地上との違いはいろいろあるが、地上の建物は地面を基準にビルが建ち、そこに部屋の空間があるが、地下では、いたるところに空間があり、通路で縦横無尽につながっている。
さて、
その迷路のような通路を、地図を片手に進む少年たち。
地底の冒険を楽しみながら学校へ向かっていた。
「つぎは、2フロア上がって、右」
大野
「また階段?」
中村
「これを毎日通うの大変だね。」森田
「直通通路掘ってもらいたいね」大野
「いいねぇ」
中村 森田
しばらく歩く
「あった!
あれじゃないか?」
中村
「そうだ。
ドアに教室って書いてある」
森田
「なんだよ。
学校の建物を想像したのに。
教室って一部屋だけなんて」
大野
「これだったら、うちらの住みかの近くに作って欲しいな」
中村
「中ちゃん頭いいなぁ。賛成。」
大野
「おや、君たちね。
待ってたわよ」
ドアが開いておばさんが顔を出した。
「たぶん先生だ。」
森田
「先生。
おはよーございます。
…で、いいのか?」
時間の感覚が無いので、顔を見合わせた少年たち