このミイラになった墓荒らしは、王が埋葬された直後の墓の中にタイムワープした。
外に出ることができず餓死し、壁にもたれてミイラになってしまった。
俺はカプセルの昭和の空間を吸って、成分が全身にまわると、この時代(2012年)にそぐわない者として、はじかれた。
そして、その成分が適合するこの時代に来たのだ。
場所はピンポイントでピッタリ一致。
しかし、あの空気はタイムカプセルを封印した日の空気だ。
今はまだ夏休み。
カプセルは卒業式の後に埋めたはずなんだよな。
半年もタイムラグがあることになるな。
またミイラの写真を見る。
未来の空気なんて手に入らない。
俺もこのまま昭和を生きていくのか。
今から30年後、ミツル少年が2012年のあの日を迎える時、あのカプセルを被らないか、同窓会が無ければここに来ないだろう。
平穏無事に暮らして欲しい。
でも待てよ。
「わかったかね。
脇道にそれた君が消滅することになる。」
マツさんがホワイトボードにIとNを書き、右側のNに×を書いた。
「消滅!」
「そうなんだ。
こっちが本線になるからね」
Iの先を伸ばしていく
結論
未来には戻れない。
2012年 俺は消える。