仮面トラッカー 20 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「ぅおおー」
ヤンググレーマンAがバットを振り上げた。

《ヒュン》

《パシ》
猛は、思い切り振り下ろされたバットを右手でつかんだ。

「離せ」A

「離さない。
君は…斉藤君だな。」猛

「なんで知ってんだよ」A

「バットに書いてある。
君は地元高校のエースじゃないか。新聞で読んだぜ」猛

「だから?」A

「目を覚ませ斉藤君!
君は、操られているのだ。」猛

「うぜぇ。」B「ばーか」D
《バシッ》《ドス》

「うっ…ぎっ。」猛

わき腹や背中を叩かれ続ける猛。
斉藤のバットだけは離さない。
「これを見ろ。」
猛は転がるボールを掴み、斉藤の目の前に。

「は?」A

「これは、君たちの追う夢の塊だ。
このバットだって、こんなことをするために持ってきたわけじゃない。
仲間と強化合宿に来たはずだ。

ただ旅館だとだまされて奴らに。」猛

「野球なんてどうでもいい。今はオマエを倒すだけだ」A

「そのグレーの布を脱ぐんだ。
これはマインドコントロールだ。
頼む、目を覚ましてくれ。」猛

「うるせぇんだよ。離せ」A

「離さない。
斉藤君、このボールを持つんだ」猛

「ボールだと」
仕方なくボールを持つ斉藤

「悪魔の呪いなんて、吹き飛ばす夢の力があるだろ。」猛

「夢の力」
斉藤はバットを離した。


「…斉藤?」B