1話{選ばれし者たち}5:敵 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

胸からマイクを抜いたパイキング。
『あ。あ。
テス、テス、只今マイクのテスト中…』


横で頷いた赤いボンテージ。


『よし、今度こそ、出撃ぃ!』
パイキングの合図で海賊船から板の橋が架けられる。

《ガシャッ》

客船と海賊船が繋がった。



『ゥオッパイパイ』
      『パイ~パイパイ』

海賊船の甲板に黒い全身タイツの軍団が湧き出す。

ガイコツのマスク
手には半月形の剣を持つ。

海賊船からブリッジを渡り客船になだれ込んで来る。

『パイパイ~』

「きゃあ!バッグが」
「やめろ!ドロボー。」

客からバッグや財布、アクセサリーまでむしり取る。


「くそぅ許せん!」
明石は、黒タイツの後ろに近寄って肩を引き、振り向かせる。
拳を握り締め、右パンチ

「おりゃあ!」



《ムニ》

なぜだ
弾き返された。

『いやん』

女!
あの感触は……

拳を見つめ、耳まで赤くなる明石


『パイパイパァイ』

他の黒タイツの女に投げ飛ばされ、船の外へ。


「あーーれーー」
落ちる明石


《ザッパァァン》

海面に水柱が立った。