22 食べて歩く | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

おばさんとジロと散歩へ出かけた。

ジロはおばさんに日傘をさす。

縁石も無く、フラットな歩道におばさんは恐々と端を歩く。

GPS車載義務で事故も少ない。
(お互いの車位置情報とヘッドチップの人位置情報を解析して避ける為)

ふと自動販売機に目をやるおばさん。

『まぁ色々あるわね。』

10年前に抹茶コーヒーなんてあったね
自分でブレンドするコーラ自販機もあった。


ここは、本格的1200円コーヒーが売れ筋。
『買ってみましょうか。』
『いいわね。私おごるわ』
タッチパネルに三本指を当てる
『了承』

ヘッドチップの更新

簡単でしょ。

『いい香りね。』

カチャン テュラァー

陶器製のカップに入ったコーヒーと、ビスケットが付いてトレーで出てくる。

ドライフルーツビスケットがうまいっ、コーヒーに浸してもよし

『おいしいわぁ。
…さっきから食べてばっかりね』

『夕食はサンマと炊き込みご飯だよ』

『いいわね。
もっと運動しなきゃ。
ジロ、行きますわよ』


いつの時代も買い食いは散歩の醍醐味だな。


片付けはトレーごと自販機のポケットに入れる。
もらってもいいけど、1ヶ月で土にかえるよ。


缶コーヒーって懐かしい響きだが今は無い。

缶ではなく、トウモロコシの皮とヒゲが原料の紙ボトルだよ。
ホットでも熱くない。
自販機の中の商品は常温保存されている。
ポチっと買ってから温めたり冷やしたりするので出てくる時間が伸びた。
9秒もね。


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物語はフィクションです。