19 焼く | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

ヒュイ ヒュイ ヒュイ

車のハザードランプの音だ。
電力タクシーの到着だな。

「ご利用ありがとうございます。目的地です。
料金は
走行料金8200円から
走行発電費を買取まして
5740円です。」

「了承する」

「ありがとうございます。ヘッドチップ更新中です。」

「はい、ありがとう」

「マダム佳子、お気をつけて」

フイーン
跳ね上げサイドパネルが上がり、おばさんが出てきた。

無人のタクシーは6人乗れる。

もう1人、いや1機降りる。ロボットだ。

おばさんの腰を支えている。

「どっこらせぇのせ。あぁやっと地球の土を踏んだわ。」

逆アームストロング!

ここまで、乗り物と建物を渡ってきたからね。
靴に土をつけるってことも珍しいね。

しばらく、おばさんと宇宙の土産話を聞いた。

「ミイタ。これ焼いて」

ロボットに、なぜか家政婦っぽい名前をつけてしまった。
絶対笑わないぜ。

「さんまの調理法は252種類あります。
ジャンルか料理名を」

「焼くだけだよ。」

「蒸してから焼きますか?骨は取りますか?」

「目黒のさんまかよ?」


「それはメニューにありません」


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物語はフィクションです。