真っ白な部屋
壁も床も天井も、光沢のある白だ。
天井一面が光り、光は、乱反射することで部屋全体が明るい。
自分の影も無い。
ここは、俺の務める工場の食堂なんだけど、メニューといえば、その日の気分の色で選ぶというボタンが壁にあるだけ。
ここに務めて20年経つ。
昔は良かった。
定食は、A定 B定 を日替わりで楽しみ、ここのメシを食いたくて仕事してる みたいな。
調理のおばちゃんは、頼まなくてもライスを大盛にしてくれたり、ここの広さを利用してバンドやマジシャンを呼んだり。
しかし、あのガタガタの机と赤い箸たちは、1日にして片付けられ、一週間の騒音が明けると、この食堂になっていた。
社員の不満?
ないさ。
やっとうちもか
って喜んでるよ。
俺は古い人間だから、ありえねぇと思ってる。
この食堂システムは当たり前なのさ。
2022年だからね。
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物語は、フィクションです。