『何か文句でも?』
タトゥー男がポケットを叩いて笑ってやがる。
『いや。本当にすみません』
丁寧に頭を下げる山さん
『わかりゃあいいよ。じゃあな』
奴行っちまうぜ
『さて。
じゃ、がんばれよ』
『え?』
俺を奴のポケットに忍ばせた山さん
なにぃぃ!
笑顔で手を振る山さんが遠くなる。
ポケットの中で揺られる。
近くの薬局の駐車場に来た
あのスポーツカーだ。
車に乗り、走り出した。
このあと
グッディマートに寄り弁当を買っている。
『お弁当温めますか?』
笑顔のかわいい女性店員
『おう』
この野郎が強盗ですよ
教えたい。