『おい!人が来た。早く乗れ』
その声とスポーツカーが遠ざかる音が聞こえたな。
そこまでは覚えている。
《回想シーン終わり》
『思い出しただけで汗が出た。』
『つまり、おまえの命の危険とは、その2人に口封じに殺されることか。
ヤツらが逮捕されない限り、元に戻ることはできないんだな。』
山さんはお地蔵様を握りしめた。
『そうだ。
それまでは家族にも』
我が家を見上げる俺
『さっきの電話でアンティークショップの店主が言っていた。
身代わり地蔵ではなく正確には
身変わり地蔵だそうだ。
持ち主の命の危険が過ぎ去るまで身体を小さくして身を隠す。
しかし、この不思議な現象にお地蔵様は神通力というか、お力をつかっている。
現に、見ろ。』
お地蔵様を向ける山さん
『本当だ。喫茶店の時より小さくなっている。』
『だろ。時間がねぇ。
お地蔵様の形が無くなってしまえば、お前は一生そのままだ。』
『制限時間つきでヤツらを捕まえるのか。』
山さんの腕時計は
17:23