64《元に》 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

『おい!人が来た。早く乗れ』
その声とスポーツカーが遠ざかる音が聞こえたな。

そこまでは覚えている。

《回想シーン終わり》


『思い出しただけで汗が出た。』

『つまり、おまえの命の危険とは、その2人に口封じに殺されることか。

ヤツらが逮捕されない限り、元に戻ることはできないんだな。』
山さんはお地蔵様を握りしめた。

『そうだ。
それまでは家族にも』
我が家を見上げる俺

『さっきの電話でアンティークショップの店主が言っていた。
身代わり地蔵ではなく正確には
身変わり地蔵だそうだ。
持ち主の命の危険が過ぎ去るまで身体を小さくして身を隠す。

しかし、この不思議な現象にお地蔵様は神通力というか、お力をつかっている。
現に、見ろ。』
お地蔵様を向ける山さん

『本当だ。喫茶店の時より小さくなっている。』

『だろ。時間がねぇ。
お地蔵様の形が無くなってしまえば、お前は一生そのままだ。』

『制限時間つきでヤツらを捕まえるのか。』

山さんの腕時計は

17:23