52《家》『山さん。家へ行ってくれないか?』『おう。いこう』お地蔵と俺をポケットに戻し、財布から珈琲代を抜いた。ムクッ『まいどありぃ』モーちゃんが起きた。『金のニオイに敏感だな、モーちゃん』山さんが金を渡す『俺、寝てたんだ。聞いてよ山さん。さっき小人を見てさぁ』『夢で?』山さん『夢?…夢かぁ。』『あ。おはよ、マスター、よく寝てたぜ』カウンターから冷やかす常連客テーブルの写真と七味唐辛子のビンを眺めるマスター『どこまでが現実だろ?』山さんと店を出た