51《帰ってこいよ》 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

長女も興奮したのか、カミサンに向けられたマイクの一つに両手で飛びついた。

長女がアップで映る

『パパ、パパァ
早く帰ってきてぇ。
あたし、もうワガママばっかり言わないからぁ。
ちゃんと歯も磨くし、早く寝るし、あと、あと

みくちゃんの面倒もガンバルから

おうち帰ってきてぇ』

必死にカメラに訴える娘

『うぅ。かわいそうに』

俺が泣く前に、カウンターの客が泣いた


くそぅ
早く元に戻って帰りたい。

お地蔵様ぁ
どうすればいいんだ。



『あなたテレビ見てる?

連絡くらいしなさいよ。

家族ほったらかして、
まったく何考えてんのよ!』

今度はカミサンのアップだ!
俺に訴えている


この直後だ。


『あなた、聞いてんの?逃げないでよ!』

『あなた、聞いてんの?…』

『あなた、聞いて…‥』



あの日のカミサンと同じセリフだ。


なにか


思い出しそうだ!