昨日は、前期を終わって出てきた1stDFのアプローチというテーマの映像編集の為に日吉で作業をした。4時キックオフでIリーグの公式戦だったので、久しぶりに下のカテゴリーの公式戦を見た。A2、Bというカテゴリーのスタッフからチーム状況があまり良くないというレポートをもらう事が多かったのでどんなものだろうと思って見させてもらった。
6-1という試合結果の通りそんなに悪い気はしなかった。
もちろんボールの失い方とか、受け手+出し手の関係しか見ていないとか言い出したらきりは無いけど昨日に関しては、闘うというベースの部分は出来ていたと思う。
試合終了後作った映像のレンダリングをしている時に場所の都合上、選手と指導者の面談の場所に居合わせる事となった。
内容はA2で試合に出られない4年生に対してのBチーム落ちの通告だった。
ただストレートには伝えずに選手に配慮して、残り少ないソッカー部生活でこのまま試合に出られないA2でやりたいか?それともカテゴリー落としても試合に出たいか?という言い方だった。選手の方は、練習で自分が今のチームで力が足りないと思わないので今のところで勝負したいという主張だった。おそらく指導陣の結論は決まっていたのだろう。下のチームでリーダシップを発揮してくれということで話は終わった。
その選手は自分が初めて慶應を見た時に2年生から入ってきた選手で体も大きく技術も高い子だった。早いタイミングで一つ上のカテゴリーに上がり、今年の2月の韓国遠征にはトップチームのメンバーとして参加していた。確かに練習では良かった。当時のCチームの試合でもレベルが1ランク上だった。それこそトップの練習に参加しても練習だけであれば十分ついていけるレベルだ。ただ強い相手との試合になるとやたら勝負を避けてしまう。A、Bの選択肢でAの方が効果的だがミスすると嫌なのでBにするという選択のミスではないようだ。多少でもプレッシャーのかかる相手との試合になると突然無意識に安全なプレーしかしなくなってしまう。
そういうプレーは相手に付け込まれてしまうので次に何もしないという選択をしてしまう。
他にもそういう選手は多い。非常にスピードがある、フィジカルが強い、ボール扱いがずば抜けて上手い、体力がある…
でもトップの試合には絡んでこない。
こういうことってどんな組織でもあると思う。やたらとものを知っている、ITのリテラシーが高い、計算に滅法強い、人当たりが尋常じゃないほど良い…
でも今一つ評価が低い。
サッカーで言えば相手よりも優れているかどうかの本当の評価は厳しい試合の中でその部分を出せるかどうかで決まる。練習で周りがさほど本気で無い状況で自分が上手いと思うだけでは指導陣の信頼は得られない。試合に出す一つの基準として練習内容で判断するがその後試合に出るメンバーとして定着するかどうかは試合で出来てかどうかだ。
会社だとどうだろう?飲みに行った時に会社や上司の批判や評価を時に論理的にまた時に感情的にする人は多いだろう。顧客に対するクレームも然りだ。しかし自分の感じた問題点をリーダーシップを持って言うべき時にしっかり言える人となると意外と少ない。
高いレベルで残るということ、そこに上がるという事は都合のよい自己評価では無い。
そういう場で力を出せるかどうかという事だと思う。
その選手がそこに気がつき、次の練習で試合さながらの練習環境を作れるか?その試合をみた指導者にもう一度上に戻したいと思わせる事が出来るかどうか?
これはサッカーの話だけではない。これから何十年も続く厳しい社会での話でもある。