出張中部屋でスポーツニュースを見ていたら、何度も甲子園の開星高校対仙台育英高校の9回のシーンをやっていた。
状況は9回表2アウトまで5-3で開星高校がリード。2アウト後塁にランナーを溜め1点は失ったもののバッターはセンターにフライを上げて万事休す。
ピッチャーは既に万歳のポーズ。
ところがセンターがこのボールを落とし逆転。
その裏、ボールを落とした選手は必至で仲間を応援し、仲間はそれに応え必死に食い下がる。
一打同点?逆転?のチャンスにセンター裏へ大飛球、ベンチから一斉に選手が飛び出した。
これをセンターがフェンスに向かってダイビングキャッチ。逆転ならずゲームセット。
スポーツでも何でもミスはつきものだから選手を責める気は毛頭ない。
しかし一方双方の1プレーが勝負を分けたのは事実。
ボールを落とさなければ。。。
あのボールが抜けていれば。。。
自分は神戸に出張中で試合に行けなかったが、天皇杯の2回戦ヴェルディに2-4で負け。
学生トレーナーの話ではシュート数は倍以上。決定的なチャンスは何度もあったらしいが決め切れなかったらしい。相手はシュート6本で4得点。
あそこでもう少し早くシュートを打っていれば。。。
あそこでもう少し早く体を寄せていれば。。。
スポーツ選手であれば、勝ちたい気持ちは誰でも持っているはず。そして試合中一生懸命にプレーするという点でも大差は無い。
ただ「本気」で勝つために、ピッチ、フィールド上で普段通り、あるいは時に普段以上の力を出すためにはピッチ外での取組が重要な意味を持つのだと思う。
おそらくあのダイビングキャッチはあれが初めてのプレーではないだろう。もしもの為に、あるいは「本気」で勝つために日頃から必死にボールに食らいつく習慣がついていたのだと思う。
落としたプレーはボールに必要以上に回転がかかっていたのかもしれない。
でももしかしたら、どんなイージーなボールであっても体の近くでより確実に捕球する事が習慣化出来ていなかったのかもしれない。
我々も一緒だ。この決定的なチャンスを絶対にものにするという気持ちでシュート練習に取り組んでいたのだろうか?練習ではこの位でいいという勝手で楽な範囲を自分で決めてしまっていなかっただろうか?
勝負の分かれ目は絶対に女神のいたずらではない。
見えないところでどれだけ「本気」で汗をかいてきたか?
「本気」で汗をかいてきた結果それでも負ける事はある。それは相手が自分以上に汗をかいてきたからだ。その時は諦めがつく。ただただ相手を讃えればいいのだから。
開星高校からはそういう爽やかさを感じた。
我々はまだその域に達してはいない。