毎時00分に公開して、最終回は23:00です。
読む順番にお気をつけください。
こちらは、妄想のお部屋です。
BL要素が含まれる場合がありますので、ご注意ください。
王様は、サトシが18歳になる前に、結婚させようと考えていました。
その時、母親がいた方が良いと思ったのです。
さっそく妃候補を探すように命じると、エビィルと名乗る美しい女性がやってきました。
「私、遠い国の王女でしたが、美し過ぎて妬まれ、ありもしない罪で追放されました。
下働きでも良いので、こちらに置いてください。」
しおらしい言葉に、王様は騙されてしまいます。
実は、エビィルは王女ではなく、農民の出身でした。
王様は元々、出身を気にする人ではありませんでしたが、まわりは違います。
王女なのに追放されたと聞いて、皆、エビィルに同情しました。
王様は、まず部屋を与え、新しいドレスを作らせました。
髪も整えさせると、美しいエビィルこそ、王妃に相応しいと、皆が祝福しました。
サトシも、一緒に食事をするようになり、美しくて優しいエビィルを好きになりました。
「サトシよ、エビィルを妃として迎えて良いか?」
「もちろん。僕のお母様になってください。」
エビィルは、大袈裟に驚きます。
「まあ、嬉しいです。よろしくお願いします。」
王様とエビィルの結婚式が終わり、エビィルは自分の部屋で、お祝いの品を眺めています。
アクセサリーやドレス、調度品、どれも立派で美しい物ばかりです。
エビィルは豪華なドレスを着て、壁に取り付けられた鏡に話しかけます。
「鏡よ、鏡、この世で一番美しい女性はだあれ?」
《それは、エビィル様です。》
鏡は、魔法の鏡でした。
エビィルはこの鏡に問いかけるのが日課になっていました。
しかし、ある日、エビィルは少し違う質問をしました。
「鏡よ、鏡、この世で一番美しいのはだあれ?」
鏡はいつもと違う答えをします。
《それは、サトシ王子です。》
「なんですって?」
《白い肌、黒い髪、黒い瞳、サトシ王子が一番美しいです。》
女性に限ればエビィルが一番でしたが、男性も含めると、サトシの方が美しいと判断したのです。
エビィルは怒り、サトシを抹殺しようと考えました。
しかも、王様と自分の間に息子が生まれれば、将来も安泰だとも考えました。