こちらは、妄想のお部屋です。


BL要素が含まれる場合がありますので、ご注意ください。




飲食店開業の手続き、不動産の賃貸契約、業者との契約等、細かい手続きが終了。

ご夫婦は引越して、住居のクリーニングが終わって俺達が入居。

カウンターからは厨房にしか出られなかったから、そこだけは許可をもらってリフォームした。

カウンター席が2席減ったけど、以前、智に絡んだ酔っぱらいがいたから、心配なんだ。

このお店はお酒を扱わないけど、酔っぱらいが入って来ないとは限らない。

そして、智が休める時は安心して休めるように、店内に防犯カメラを設置して、厨房から見れるようにした。

コーヒーのメーカーから補助をもらって、新しいスタンド看板も作った。

閉店すると思っていた担当者は、俺達が続けるのを喜んで、色々とサービスしてくれてる。

レジも最新式の物に変えて、お釣りも自動で出るし、キャッシュレスも対応可能になった。

開店資金は銀行から借りる予定だったけど、智が、自分が出したいと言い張って、コツコツ貯めていたお金も使わせてもらった。

1週間、準備の為にお店を休ませてもらったけど、いよいよ開店の日を迎えた。




「潤、いよいよだね。」

「智、忙しい時は、俺もカウンターから出て手伝うからね。」

「うん。でもね、調理の方は、意外と手抜きっていうか、効率的なの。

サラダも野菜を切った状態で仕入れてるし、パンケーキも焼くだけになってる。

メニューも絞らせてもらってるから、慣れてきたら増やそうね。」

「そうだね、しばらくはランチはカレーと焼くだけの生姜焼きとかチキンソテーになるけど、様子を見て増やそう。」

お揃いのエプロンを着けた智は、すこし緊張してるみたいだ。

「僕、一番始めに勤めたお店も、次のファミレスも潰れちゃったでしょ?

『Enjoy』も潰れたらどうしようって、思ってたけど、2店舗目が出せるなんて、凄いよね?」

「どちらも智のせいで潰れたんじゃないよ。

特にファミレスの方は、店長が悪かった。

すぐに系列会社の居酒屋がオープンしたから、イメージ一新しただけ。」

そう、智は何も悪くない。

さあ、智がやりたいと言った喫茶店、店名を『Enjoy』に変えて、開店だ。