お誕生日企画です。
こちらは、妄想のお部屋です。
BL要素が含まれる場合がありますので、ご注意ください。
ウチの会社は、そこそこ有名で、そこそこ利益を上げている。
東京の中心から少し、いや、かなり離れていて、いわゆる下町?
のんびりした気風で、結構ユルい。
残業は少ないし、頭のカタイ上司もいない。
欠点は年頃の女子社員が少ない事。
産休育休の制度がしっかりしていて、すぐ近くに会社が契約している保育所がある。
つまり、結婚しても働き続ける環境が整っている。
優秀な社員が辞めないのは会社にとってはいいんだろうけど、楽しみは無い。
高校大学時代は恋人が切れた事なんて、無かったのにな。
今、独身の女の子は、受付嬢のひとり、カンナちゃんだけで、彼女には婚約者がいる。
営業なら、取引先との出会いがあるけど、俺は内勤。
まあ、そのうちに素敵な出会いがあると信じて、真面目に働こう。
「おはよう。」
部長がご機嫌で出社してきた。
「「「おはようございます。」」」
「うん、おはよう。
今日はビッグニュースがあるんだ。」
ビッグニュース?
「受付のカンナさんが足を怪我してね。
いや、大丈夫なんだけど、大変だろうし、念のため、しばらくお休みする事になった。
それで、木村さんだけでは大変だから、見習いが来る事になったんだ。
今、上の階から順番に挨拶に回ってくるから。」
皆、なんとなくソワソワしながら待っていたら、木村女史に連れられて、女の子がやってきた。
「はい、注目!って、言わなくても注目してるわね。
カンナちゃんが怪我をしたので、代わりの子よ。
よろしくね。」
木村女史に隠れるようにしていた女の子が挨拶をした。
「お、大野、さ、智子です。」
華奢な体格で、ふんわりとしたパーマの長髪、薄めの化粧で清楚な感じ。
受付にしてはオドオドしてるのが気になるけど、あっという間に人気になるだろうし、来客も喜ぶかも。
来客は男性が多いからね。
「皆、彼女は色々と不慣れだから意地悪しないように。
さ、行きましょ。」