こちらは、妄想のお部屋です。

BL要素が含まれる場合がありますので、ご注意ください。

いくつかの有名なお話を参考にしつつ、妄想をしたいと思います。

伯爵は領主で、それをまとめているのが国王です。

潤の名前がずっと出てこない。





ここは中世のヨーロッパによく似た、幻の世界です。

街は賑やかで、多くの人が市場に集まっています。

野菜を売る店、動物の肉を売る店、服を売る店や道具を売る店が並んでいます。

ある店に、鼻筋が通って、綺麗な目をした青年が座っています。

長い髪を揺らしながら、ご機嫌で鼻歌を歌っています。

青年の名前はサトシです。

「サトシ!この前頼んだのは、いつ出来る?」

男に話しかけられたサトシは、綺麗な布を取り出します。

「もう、出来てるよ!」

「おお、素晴らしい。

じゃあ、代金の残りを払うよ。」

男はサトシに代金を払い、綺麗な布を抱えて走っていきます。

サトシは染め物をしていて、注文の品が出来上がると市場にやってきます。

「さて、今日はおしまい。

おばちゃん、ありがとう。」

店先を貸してもらっているおばちゃんに声をかけると、サトシは店を出ます。

サトシの母と姉は機織りをしていて、父はその織物を他の街に売りに行って生活をしています。

サトシも、何か手伝おうと、染め物をはじめたのです。

サトシの染め物は、繊細で美しい色なので、人気があります。

希望の色を聞いて、代金を半分もらい、染め物が出来ると残りの代金も引き換えに染め物を渡します。




サトシはいつも仕事が終わると、色々な店の人に挨拶をしたり、野菜を買ってから帰ります。

今日も野菜を選んでいたのですが、大きな音をたてながら、馬車がやってきました。

市場の道は石畳なので、馬はゆっくり進みます。

「立派な馬車だ。」

手入れが行き届いた馬と、綺麗な飾りが付いた乗り物で、サトシは見とれています。

まわりの人達も、集まってきました。

「サトシ、あれは新しく丘の上にやってきた伯爵様だよ。」

「どうも、隣の隣の街から来たらしいよ。」

「まだ若いらしいから、娘を気に入ってくれたら、玉の輿なんだがな。」

「前の伯爵様は、病気で亡くなってしまったから、代わりにこの辺りを治めてくださるらしい。

良い人だといいなぁ。」

丘の上には、広いお屋敷があり、そこで働いていた人達もいたので、新しい伯爵が来たのならば、また働けると喜んでいました。

若い男性と聞いて、あわよくば結婚と考えた娘やその親もいました。

しかし、すぐに新しい伯爵は変わった人だと、噂が広まりました。

お屋敷に通いで働いている人は、何人もいます。

でも、掃除をする人も、料理を作る人も、伯爵と直接会った事が無いのです。

仕事は年寄りの執事がひとりで取り仕切っていて、伯爵の部屋の掃除や、食事の給仕はその執事がしています。

街の誰も、伯爵の顔を知りません。