こちらは、妄想のお部屋です。

BL要素が含まれる場合がありますので、ご注意ください。




俺は松本潤、27歳、この会社に就職して数年、独り暮らしにも、仕事にも慣れてきた。

恋人は、今はいない。

自分で言うのもおかしいけど、顔は悪くないと思う。

何人かと付き合ってきたけど、なんか、違うんだよなぁ。

だいたい、面倒になって、怒らせて、別れるパターン。

先月のホワイトデーも、散々だった。

もう、しばらくはいいかな。

それより、今、気になっているのは、社員食堂で見かけるようになった男だ。

新入社員ではないと思うけど、誰なのかなぁ?



うちの社員食堂は変わっていて、朝食があるんだ。

昼よりは空いてるから、例の男に接触するチャンスだと思って、頑張って早起きして出社した。

俺は、いつもは朝食抜きで、社員食堂の横のコーヒーを買ってデスクに行くんだけど、その男が朝食を食べてるのを見かけた事があるんだ。

食堂には、5人位が食事をしていて、予想通り、男がいる。

券売機の朝定食Aのボタンを押して、社員証をタッチすると、食券が出てくる。

カウンターに出すと、元気なおばちゃんが、素早く定食を出してくれる。

ご飯とたまご焼き、おひたし、みそ汁だけだけど、ご飯のお供の海苔やフリカケはフリーだから十分だ。

料理が載ったトレイを手に、男の斜め前に座った。

男は、猫舌なのか、みそ汁をふうふうしている。

盗み見しながら食事したけど、この男、食べる時に舌が出る。

男だけど、色気を感じてしまう。





俺は、大野智、30歳。

今まで工場勤務だったのに、なぜか本社の商品企画部に転勤になった。

せっかく慣れたアパートを出て、独身寮に入って、本社に通い始めた。

寮と言っても、普通のワンルームマンションと同じで、独立した部屋に住んでるし、合同の食堂とかがある訳ではない。

料理は好きな方だけど、仕事や通勤が慣れなくて、余裕がないんだ。

ありがたいのが、社員食堂があって、朝とお昼にお世話になっている。

安いし、給料天引きなのも助かっている。

夜ご飯は、寮の近くの駅前で食べるか、コンビニで買って帰るか。

本社には知り合いも少ないから、寂しい生活をしている。

工場に戻りたいな。



そんな毎日に、少し気になる人が出来た。

彫りが深いイケメンさんで、仕事も出来そう。

俺とは住む世界が違う感じ。

ある日の朝、社員食堂で食事をしていると、その人が俺の斜め前に座って、食事を始めた。

どうしよう、恥ずかしい。

早く食べてしまいたいけど、俺、食べるの遅いんだ。

でも、空いてるのに、わざわざここに座ったのは、なぜだろう。

いつも座る席なのかも。

出来るだけ見ないようにしてるのに、目が合っちゃった。