2004年問題
現在学校教育においては,子ども
たちの学力を向上させるとともに個
性と創造力を伸ばすことが求められ
ています。
このことについてあなたの考えを述
べなさい。
2004年当時、教育界に学力低下
に対する心配の声が寄せられていま
した。
次のような話題がありました。
① 1999年:「分数ができない大
学生」等、話題になりました。
子供の基礎学力の低下を「ゆとり
教育」の弊害と結び付けて議論さ
れました。
②学力低下論争の矢面に立たされた
文部科学省は、2002年「確かな
学力向上のための2002アピール
『学びのすすめ』」を発表しまし
た。
※内容と手立て (抜粋)
・「生きる力」には「確かな学力」
が含まれている
・少人数授業・習熟度別授業の実施
・発展的な学習、補充的な学習の
実施
・総合的な学習の新設
等々
③ TIMSS(国際教育到達度評価学
会が行う「国際数学・理科教育動
向調査」)
2003年調査で、日本の子供は、算数
・数学、理科において国際的に上位
にあるものの低下傾向にあることや
学習意欲や学習習慣に課題があるこ
とが指摘されました。
前回、日本の教育課題は、古くて
新しいと述べました。2002年の
「学びのすすめ」で提唱された「発
展的な学習、補助的な学習」は、
2020年「令和の日本型学校教育」の
構築を目指して ~全ての子供たちの
可能性を引き出す,個別最適な学び
と,協働的な学びの実現(中間まと
め)」 (令和2年10月7日 中央教
育審議会初等中等教育分科会)で次
のように取り上げられています。
(抜粋、要約)
※ 補充的・発展的な学習指導
○ 基礎的・基本的な知識及び技能を
確実に身に付けることができるよ
う,補充的な学習や発展的な学習
を取り入れ、個に応じた指導の充
実を図る。
〇補充的な学習の指導では,指導方
法や指導体制の工夫改善を進め,
学習内容の確実な定着を図ること
が必要である。発展的な学習を取
り入れた指導では、学習内容の理
解を一層深め,広げるという観点
から適切に取り入れる。
○特に必要がある場合は,異なる学
年の内容を含めて学習指導要領に
示していない内容を加えて指導す
ることができる。
○ 補充的な学習では,例えば知識及
び技能の習得に当たって,ICT を
活用したドリル学習等を組み合わ
せていくことも考えられる。
○ 発展的な学習としては,個別学習
のみで学習を終えることにならな
いように留意し,協働的な学びが
取り入れられるよう教育活動を工
夫する必要がある。
補充的・発展的な学習指導は、個
に応じた指導の充実を図るためです。
一般的に、補充指導は、学習の遅れ
がちな子供を対象にし、発展的な学
習はより進んだ子供が対象になりま
す。
したがって、上記「中間まとめ」で
は、前者に対して学習内容の確実な
定着を目指しており、後者に対して
は、学習の深化発展を目的にしてい
ます。具体的な方策としては、補充
学習では、ICT を活用したドリル学
習等を組み合わせていくことや発展
的学習では、先の学年・学校の内容
を学習に挑戦させることも可能である
ことが述べられています。
従来、当該学年の学習指導は、学習
指導要領の枠内が原則でした。これに
風穴があいた上記の内容は、子供の学
習意欲と自己学習能力の進展を図ろう
とする学習指導要領の改訂の趣旨から
当然のことと捉えることができます。
総合的な学習の時間で子供が自ら課題
を発見し、自ら解決することを推奨し
ており、他方、学年の枠に固執するで
はダブルバインドになってしまうから
です。