TRONは、実時間で情報処理することができる優秀なコンピュータ・システムです。現在も携帯電話や自動車のエンジン、デジタルカメラなど多くの電子機器内にあって活躍しています。

しかし、このTRONには盛衰の物語があります

1984年に産学協同のTRONプロジェクトが立ち上がりました。

1986年にはTRONの基本的な部分が完成しました。

1989年、驚くべきことに、アメリカ政府は、スーパー301条という強圧的な貿易圧迫法の対象にTRONを指定しました。TRONは産学共同研究であり、政府の支援はありませんでした。さらにオープンソースであり、アメリカ企業も利用できました。それなのに、アメリカ政府は、日本政府がTRONを支援しているとして規制対象としてきたのです。

マスコミはアメリカ政府の措置を真に受けて、TRONをたたきました。研究を担当していた坂村健東大教授は反論しましたが、新聞には掲載されませんでした。坂村健教授の抗議に対してアメリカ政府は「TRONとは何だ?」と間の抜けた返答をしました。ろくに調べてもいないくせに制裁対象に入れていたのです。坂村教授の抗議は功を奏してTRONは制裁対象にはなりませんでした。

1990年、しかしながら、日本政府はアメリカ政府に気兼ねしました。通産省は、TRONの存在を無視するような措置をとりました。マスコミもこれに便乗してTRONが競争にまけたように報道しました。このためパソコン用のTRONは普及せず、MS-DOSやウィンドウズが普及しました。

それでも性能優秀なTRONは様々な電子機器の制御OSとして普及していきました。この点について、日本政府はなにひとつ役に立っていません。TRONの優秀さがすべてです。

 


日本政府のダメさは、その後、どんどん強まりました。日本の半導体がダメになったのも日本政府の無能が原因です。

いまでは何から何までアメリカの言いなりです。ヘイト法をつくれと言われればつくる。LGBT法をつくれと言われればつくる。移民を受け入れろと言われれば移民を受け入れる。世界各国に金をばらまけと言われればばらまく。ウクライナを支援しろと言われれば支援する。TSMCを受け入れろと言われれば多額の支援を与えて工場誘致する。もう、奴隷です。

アメリカの対日政策は、日本弱体化です。その日本弱体化を政府与党が実施しているわけです。本当に理不尽な世界です。