E.B.ポッター著「ニミッツ」を読みました。

アメリカに名将はいない、と私は思っています。ミッドウェイ海戦では日本軍の作戦を暗号解読によって知っていたのだし、ガダルカナルの激戦にしても常に敵に数倍する兵力を与えられていました。

なにしろアメリカ政府が大兵力と最新兵器を有り余るほどに用意してくれるのですから将軍や提督は気楽だったでしょう。ただ「前進せよ」というだけでいい。大軍に兵法なしです。

ただ、ニミッツ提督には高潔なところがあったようです。それは回顧録をいっさい書かなかったことです。

「なぜ回想録をかかないのかとたずねられることがある。わたしはいつも、歴史というものは専門の歴史家の手で書かれるのがいちばんよい、と答えている」

その態度は、マッカーサーとは際だって異なっています。マッカーサーは、フィリピンでは敵前逃亡し、大戦中から大統領選挙を意識して自己宣伝に懸命だったのです。

ちなみに安倍晋三首相も歴史についてはニミッツと同様のことを言っています。歴史を政治利用する周辺国の指導者と違い、きわめて良心的態度だと思います。