遺言。 | Live, Live and Live

遺言。


大好きな物語で、
病の母親が、4人の子どもたちへ伝えた言葉です。


原っぱに座り、ふたりの息子を抱きしめてから、話しはじめました。

「二人とも男前。ママに感謝するのよ。
黙っててもモテる顔に産んであげたんだから。
だけどね、その顔はせいぜい成人する二十歳までよ。
そのあとは、自分のしたこと、することが、顔に出てくるから。」
悪どいことをしたら?
「悪どい顔に。
いい?男の子は損とか得とか考えないで、行動しなさい。
かっこいいほうを選びなさい。
やせ我慢でも何でもいいから、かっこつけなさい。」

「男の子は、カブトムシ。
他人から間違ってるって言われても、自分が正しいって想ったら、進みなさい。」

原っぱに寝転んで、
「ねえ、手をつなごう」

目を閉じて、
「しあわせ」と呟き、
頬をよせました。


恋をした長女に。
「子どもは、産みなさい。
今の話じゃなくて。
いつか、必ず。」
そりゃいつか誰かと結婚したら…
「一人でいたとしても。」
と微笑みました。


お祭りの夜、まだ幼い次男と次女に。
手を握って。
「人の悪口を言ったらだめよ。
時々想っちゃうのは仕方ないけど、
口に出して言ってはだめ。
口に出さなければ、そのうち想うこともなくなるわ。

人を指差してはだめよ。
人差し指で差しても、中指 薬指 小指が自分を差してるでしょ。

やさしい人になってね。
傷つけられても、やさしい人に。」

「好きって言葉は魔法なの。
言われた人をしあわせにする魔法。
友達にでも、誰にでも。

悲しい人はね、好きって言われたことのない人だから。」

その夜、眠る次女を抱きしめて、
「あぁ、なんて…
なんて愛くるしい」

泣きながらそう言って、なくなりました。



あいくるしい。




お葬式の日、お父さんが泣きながら話しました。

「俺はまじで父親なんて言えねぇんだ。
ミチル、母さんがミチルを妊娠したって言った時、
俺は最初ダメだって言ったんだ。
ガキなんておろせって言ったんだ。
東京で、うだつのあがらねぇバンドやってて、
いつまでも青春気取りで、
だから、結婚なんてするつもりなかったんだよ。
金だってねえし、第一こんな世の中だ、
ガキが産まれたって、どんなガキになるかわかんねぇ。
それが、あれよあれよと4人も出来ちまって。
うまく こいつにそそのかされたっつうか。
だから、今お前たちがここに存在してるのは、
全部母さんのおかげだ。
俺なんか関係ねえ。
父親失格とでも何とでも想ってくれてもかまわない。
でも、お前たちの母さんは、俺みたいなろくでなしな男と一緒になったのに、
もっと他にいい男たくさんつかまえられたろうに、
いつもニコニコニコニコ笑って、
貧乏暮らしなのに、しあわせだって、
うそでもニコニコニコニコ笑って。
見てくれのいい女はいっぱい居るかもしれねえ。
だけど、母さんみたいな素晴らしい女は、一万人に一人だ。
俺は、分不相応に、そんな女を手に入れちまった。
だから、苦しい。
代わりなんて、永遠に見つけらんねえからな。」

「俺は、今日から父親になる。
お前が産んだ子供たちを、命を吹き込んだ子供たちを、
俺が立派に育ててみせるから。」



すてきな物語で、今でも時々みます。
学んでばかり。
忘れないように、刻みたいことばかり。