つい最近ブロガーさんに石焼き芋関連のコメントしたら、25年も前の出来事が鮮明に思い出された。


どうも私には

変な出来事をキャッチする

特殊能力があるようです。



当時川端町のボロアパートの2階(風呂なし、トイレ、水道、玄関共同)に住んでいて仕事終わり部屋でテレビを見ていると外から


「いしやき~いも3個200円」って聞こえた。


そんな安い訳ないか?


聞き間違いだなとテレビを見る


その後「いしやき~いも3個200円3個200円」


聞き間違いじゃない


しかも2回言った。


安っ!!


真冬に関わらず薄着で

財布を持ち

2階から下に降りて

玄関の戸を開けると


猛スピードで通過する石焼き芋屋の車


唖然とする私


20メートル後ろに

焼き芋屋を追い掛ける20人


各々が「待てぇ~!」「止まれ~!」と叫ぶ


一人の老婆は消え入りそうな声で


おねがい。止まって~


と崩れ落ちるように道路にしゃがみこんだ。


若い女の子二人が老婆を抱えあげようとすると

老婆が


私に構わず行って下さい


と感動的なフレーズ


ただ、焼き芋屋を追い掛けるだけの話だが…


完全なカオス

最初イヤな夢を見てるのかとも思った。


そんな中、陸上部風の高校生くらいの男の子が現れ


「どうしたんですか?」


先頭集団の一人の男が


「あの車を追ってくれ!」


刑事ドラマ以外ではじめて聞いたが


ただ、これは


焼き芋屋を追い掛けるだけの話です。


いもハンター20人の気持ちが

ひとつになった瞬間


心のタスキが陸上部風の少年に繋がれた


何度も言いますが


これは、ただ焼き芋屋を追い掛けているだけの話です。


陸上部風が猛追

多分ガチの陸上部かも?


100メートルくらい進んだ所で

男の子が追い付いた


走行中の車のドアを開け

運転手の首根っこを捕まえ車を止める。


ずいぶん乱暴な止め方するなあと思った


今思うと高校生の子


理由も知らず追い掛けてる


しゃがみこんだ老婆が焼き芋屋に跳ねられたと勘違いしていたのかもしれない…


皆怒ってはいるがイモ買ってるの見て

キョトンとしていたし


そのあと普通に芋買ってたけど


各々からの罵声


「早ぇ~よ‼️」

「何やってんだ‼️」

「イモよこせ‼️」


怒りか寒さか

全員頭から湯気が…


震える運転手が


「今日はじめてで、まだ1個も売れてないんです…」



その場にいた

追っかけ全員が「当たり前だ‼️」


一通りのくだりが終ってから


女の子2人に肩を担がれた老婆も感動のゴール


焼き芋を買えて家に戻ろうとした時


15人くらいの集団が

止まっている焼き芋屋の車を見つけ


「いたぞ~!」と


第2集団のゴール


遠くから各々の罵声が聞こえる


家に戻り

焼き芋を食べる


3個200円だが、なかなかの大きさ


味?



味は普通(笑)



翌朝になって昨夜の出来事が夢では無かったのか?と思ったが


テーブルには、焼き芋が1個あった


あのカオスは現実だ


残りの焼き芋を食べてみた


味は?


味は普通だった…





それ以降

いい大人なのに

老若男女に怒られた石焼き芋屋さんを

見る事はなかった。


デビュー戦でトラウマになったのだろうか?



本人の不手際ではあるが

大勢が怒って追い掛けて来るなんて怖いわな


このシーンが映画化されるなら

運転手役は松重豊さんにお願いしたい(笑)



最後に

もう一度言いますが


ただ焼き芋屋を追い掛けているだけの話であります。