2017年11月にアメリカ・ジョージア州に引っ越してきました。

夫と6歳の娘と3人で、初めての海外生活を楽しんでいます。

 

少し前のことになりますが、娘の友達の誕生日会に参加したときのことを書いておきたいと思います。

 

そのお友達Aは今年のサマースクールで知り合った女の子。スクールに通った5週間の間に、もうひとりの女の子Gと合わせてすっかり仲良し3人組となりました。サマースクールに参加していた娘以外の子どもたちは全員レギュラーの生徒さんたちだったので、打ち解けるのに時間がかかるかな…と心配していたのですが、すぐに溶け込んでくれて本当に助かりました。

 

Aとは毎朝の送りの時間が一緒だったので毎日顔を合わせました。私にもあれこれと話しかけてくれる人懐っこい女の子。毎日パパに送ってもらってきていて、パパはこの辺りではあまり見かけないパリッとした服を着た男性で、口数は多くないけれど柔和な雰囲気の人でした。

 

それからしばらくしたある日、娘から

 

「Aはね、ママがいないんだって。「私にもママがいたらいいのにな」って言ってたよ」と聞きました。

 

そうだったのか。知らなかった。それで毎日パパが送り迎えをしているのか。


それからまたしばらく経ったある日、いつものように娘を送って行くと、いつもと違う車からAが降りてきました。

 

「おはよう、〇〇(←娘の名前)!」

 

続いて、いつも送ってきているパパとは違う男性が車から降りてきました。

 

「初めまして!」

 

パパと同じくパリっとした服装の男性。でも、もっとフレンドリーで社交的で、明るい表情でいろいろ話しかけてくれます。

 

Aとその男性のやり取りを見ていると、どう見てもパパと娘。まさかナニーさんでもないだろうし、誰なんだろう??

 

ひとしきり話した後聞いてみました。

 

「あの、いつも別の男性が送ってこられていますよね」

 

「ああ、彼はもう一人のパパです」

 

「(もう一人のパパ?)ああ、そうなんですね」

 

「今度AのBirthday Partyをするのでよかったら来てください。また招待状を渡しますね」

 

「ありがとう。いいですね!喜んで参加させてもらいます」

 

そしてパーティの日。2人の男性とAとの関係が分からないまま、Aのお家に向かいました。

 

超々豪邸。小高い丘の上に立つマナーハウスのような家。青々とした芝生の茂る広々としたフロントヤード。2人の男性から何となくそのような雰囲気が漂っていましたが、想像を超えています。

 

Backheadと呼ばれる地区を通ると、「一体どんな人が住んでいるんだろう?」と思わずため息の出てしまうような家々(門から家まで離れているので、家はチラっと見えるだけ)が立ち並んでいるのを見かけますが、この家はまさにそのような豪邸でした。

 

近所から招待されたらしきファミリーはゴルフカートで到着。

 

「カートで来られたんですか?」

 

「そう。便利でしょ?」

 

玄関をノックすると、招待状をくれた男性が「Welcome!」と両手を広げて出迎えてくれました。

 

そして中に入ると、いつもAを送ってきているパパがキッチンに立っていて、そこでようやくおふたりが同性愛の方だったことに気づきました。

 

ゲストはスクール関係だけではなく、いろんな方が来られていました。

 

もう1(~2)組、男性の同性愛の方がいて、その方たちのことを

 

「ここのカップルはまだ(子どもを)アダプトしてないんだよ」とオープンに紹介してくれました。

 

国籍も様々で、アメリカ人の他に、中東2か国、アジア2か国、南米1か国。


バックヤードのガジーボでいろんな話をしました。

 

特にみんな力を入れて語っていたのは、外国語を学ぶことの重要性。ここに来ていたアメリカ人と私以外の人は全員完璧なバイリンガル「以上」で、ホストのパパはなんと5か国語を話すそうです。

 

「Aは初め公立の学校に行ってて、すごくいい学校だったんだけど、そこでは外国語を学べないでしょ?だから、ただそこだけの問題でインターナショナルに転校したんだよ」

 

「幼いうちに1つでも外国語を習得しておくと、先々で他の言語を学んだ時、習得するスピードが全然違う」

 

なるほど。確かにそうかもしれません。

 

クスっと笑ってしまったのが、少し前にカナダに行ってきたという人の話。

 

「カナダ人はみんな優しかった。にこやかで人当たりがよくて。それなのにアメリカに帰ってきたら空港でいきなり偉そうで無愛想な係員に遭ってしまった。なんでこうも違うんだろうね」

 

そのように感じるのはきめ細やかなサービスに慣れている日本人だけではないのだと改めて実感。安心しました。

 

日本に来てくれたことがある人も3人いて、「どこに行っても綺麗だし、人は礼儀正しくて親切で、本当に素晴らしかった」と、口を揃えてベタ褒めしてくれました。

 

Happy Birthdayの歌は英語とフランス語で歌いました。

 

初めてお会いする人がほとんどなのに、本当に居心地の良いパーティ。

 

ホストのパパ2人はひとりがキッチンで作業、もうひとりがそれをゲストひとりひとりに配るという見事な分業で、今までに行かせてもらったパーティにはない手厚いおもてなしを受けました。

 

同性愛の方と直接触れ合ったのは初めてのような気がします。物腰が柔らかくて、優しくて、よく気がついて、以前から持っていたイメージとぴったり重なるおふたりでした。

 

と書いて思い出したのが、大阪で一度だけ行ったことのある小料理屋さん。そちらも同性愛の男性が2人で経営されているおばんざい屋のようなお店で、おひとりは黙々と作業、もうおひとりは主に接客を担当されていて、長年連れ添ったご夫婦のような雰囲気がとても落ち着けるお店でした。

 

血のつながりはどれだけ重要なことなのか。

 

そんなことを考えている段階で、きっとまだまだオープンにはなれていないのでしょうが、明るく天真爛漫なAを見ていると、この先直面しそうないくつかの問題を想像しながらも、どのような形であれ、愛情をたっぷり受けて育つことが何よりも大切なことなのだと、そのように感じました。

 

大人たちがガジーボで話している間、子どもたちはずーっときゃあきゃあ水遊び。

 

こんな巨大なビニールプールは初めて見ました。

 

滑り台も。

 

今日のテーマは「マーメイド」。

 

久しぶりにプレゼント用のお花を生けました。色はテーマに合わせて。

 
パーティの締めは定番のピニャータ。子どもたちが棒で叩き壊します。未だに私は慣れません…。

 

来月はもう一人の友達Gのバースディパーティに出席させてもらう予定です。せっかくの仲良し3人組。できるだけ会う機会を作ってあげたいと思います。