2度目の面談。



今回はKちゃんの次に呼ばれた。



なんせ内容を知ってるもんだから

難しい表情の上層部の人を見て

笑いがこみ上げるチュー



マスクで良かった。



何か書面でも持ってくるのかと思ったら 

口頭で

「実は会社の規定を超えますが

200円アップでどうでしょうか」と。



ん〜…。1分程黙ってみた。



向かいでは険しい表情で見つめる。

やばい、笑ってしまいそう(*´艸`)



もしかしたら

もう少し考えさせて下さいと言ったら

さらに上乗せできるのかもしれない。

それもチラッとよぎったけども…。

なんかいやらしい気がしてやめた。




「何でも思ってる事を言ってください」





黙っている私にそう言った。




「正直…。

時給がいくらだろうと

働き方は変わらないです。

いくらだとしても一生懸命働く事に

変わりないので…。

ただ、何か問題や不満が出た時に

これしかもらってないのにむかっ

気持ちが下がるのが嫌なんです。

こんなにもらってるんだから

頑張らなきゃって思いたいんですよね〜。


ん〜まぁとりあえずわかりました。

それでいいです。

△△店長を見捨てるわけに行かないですしね。

もう少し頑張ってみます」




「あー良かった!ありがとうございました」




結局、5分くらいで交渉成立。



その後は雑談タイム。




「実は私は今年定年なんです。

でもまだ必要とされているらしいので

もう少し働きます」



「へ〜そうなんですか?

ゆっくりしないんですか?

私も子育て終わったと思ったら

父が闘病生活に入ってしまって。

その父も3年前に亡くなったんです。

子供たちも結婚したし

本当はそろそろゆっくりしようかなーと

思ってたんですけどね爆笑



「うん、わかります。」


と笑いながら



「私はこの会社に育ててもらって

成長させてもらったという恩があるので

必要とされているのであれば

最後に恩返しがしたいんです。」




会社愛か...

今ならわかる気がする。




そういえば

この前の面談の時

この会社を嫌いにならないで欲しい

と言われたな。



定年で終わりにするか続けるか

この人も同じように迷ったんだろーか。

そして会社が好きで

必要とされているうちはって

残ったんだろーか…。



だからこの前の面談で

熱く語る私の話を止めて

もうわかりましたって言ったのか。

私がこの店が好きだって言った時

嬉しそうなのはそのためか...。




自分の気持ちとシンクロしたのかな。




私も上層部の人の想いが理解出来る。

私はこの店への愛情だけども

この人は会社への愛情なんだろう。



「しばらく続けるなら元気なんですね。

体調はどうですか?

健康診断で引っかかりません?」



「まぁ血圧とか肝臓とか引っかかって

薬も飲んでますよ」と笑う。



同じ酒好きと判明して

ひとしきりお酒の話で盛り上がり笑い



「これからも何かあれば言ってください」

と言われたので



「いいんですか?本当に言いますよ?ニヤリ

と返すと



「大丈夫です。わかっています。」




「そうですか

じゃあ次はお酒付きでお願いしますね爆笑



と笑って

事務所を出た。



これからは今までとは違う。



自分にしか出来ない役目で

働く事になるんだろうと覚悟を決めた。




次は金山くんの番。

迷ってる金山くんは

どんな答えを出すのかな。