岡場所にあった女郎屋では“相部屋”が常識だった! | 江戸の男の ...

基本的に女が少ない江戸は、下女ももてます。

何故なら、同僚の男などは、

給与もそんなに変わりません。

高い吉原などは行けませんで、手軽な岡場所専門です。

そうなると手近にいる下女は、好い的になる。

 

盛んにちょっかいを掛けますが、下女もさるもので

待遇が好い所であれば、重年を狙います。

その目標を達成するには、主人が目標となります。

もちろん、誰もでもという訳ではなく、ある程度の

顔立ちの良さも大きく左右します。

 

重年をさせなさるか、と水を向け」

これは、かねてより狙いを付けた下女と一緒の機会に

恵まれた主人が、あわよくばと、

誘いの手を出したところです。

 

それに対して、何と冷静な下女の応対です。

どうも、主人が嵌められたようなきらいもありますが。

ここまで来たら主人は、♪もうどうにも止まらない♪。

 

結果は判りませんが、そこまで行ったらも

う下女の勝ちでしょう。

なにしろ、下女の応対が凄い。

「重年をさせなさるか」これは条件を呑まなければ

いう事も聞かないし、

奥さんに言うわよ、そういう含みです。

 

 

「しょこなめた下女は今年も今年も居」

この句は、こっそりと上手い事をやった、という意味で

見返りとして、何年かを務めるのが確定したわけです。

 

でも、下女がうんと云わない時もあります

嫌ならいいが、カカアにそう言うな

口止めをしておきます。

 

かかあに怪しまれると、奥の手を出します

そちは2世、あれは3月4日まで」

親子は1世、夫婦は2世、主従は3世、

3月4日で契約は切れる。

 

全く、理屈に合ってない所が説得力がある。

しかし、出来る時もあります。

何がって、子です。

つばらんでます、とにじる下女が宿」

宿とは実家ではなく口入宿の事で、

別名・下女が宿と云われた

 

人の斡旋と共に身元保証もしてるので、

下女の失敗や落ち度は宿が弁償する、

その代わりに、下女が不当な損害を被った場合

奉公先に強硬に折衝し、弁償金なども確保する。

大旦那様だと あれが申します」

 

句の中の「つばる」とは、兆る(つはる)であり、

妊娠初期の悪阻の語源でもある。

 

この場合は、かなり強気に宿は奉公先に

要求します。

 

下女が交合を強いられての?懐妊ですから

精神的・肉体的苦痛を軽減するだけの

誠意を見せて貰う。

 

「弁舌をふるって宿は5両取り

その結果が5両でした。

この金額は、間男の内済金7両2分が

値下がりになったものです。

それと連動しての金額のようです。

 

上方の方が値下げは早かったようですね。

流石ですね!