江戸時代の豪商といえば、代表的なのでは、亰の那波屋。

三井総本家3代目の三井高房が本の中で「亰一番の有徳者」として

紹介し、享保10年(1725)では、大名貸付総額銀10,160貫

相手は甲府25万石徳川綱重を始めとして、佐竹・小笠原・有馬家

その中でも、有馬家は参勤交代の途中久留米25万石の大名有馬家

の藩主が230余人のお供を引き連れ、病臥中の那波屋の主人を

見舞った事もある。


  黒田家上屋敷

左が汐見坂で、ここから江戸湾が見えたという

更に筑前黒田家から200石を与えられ、槍持ちを引き連れて

亰の都大路を往来した事は亰雀の話題となった。

 

 柏屋

この那波屋と同じ亰商人の柏屋との婚礼は豪華絢爛たるものでした。

現代も残っているその豪華な婚礼の調度品は、豪商たちの

計り知れない財力の高さと格式を今に伝えている。

 

華やかな花嫁行列に先立ち運ばれる長持、唐櫃、屏風箱、

新婦が婚礼の装いを行う化粧の間にほどこされた絢爛たる

調度品の数々、いずれもが家紋の「柳に海棠」を描いた金屏風に

丸に隅立四つ目の定紋を散らしたものでした。

 

寝具の枕だけでも、花嫁の床入りに使う祝枕、沈香をくもらせ

眠る焚掛枕、花嫁のお供をしてきた女中たちの枕

様々な枕が有った。

その全てに塵取りや炭取りに至るまで黒漆に

蒔絵した華麗な物ばかりでした。

 水戸徳川家明子姫 葵の紋入り枕

しかし、この頃が絶頂の時でして、以後衰退に向かう。

「那波屋素順、偏に栄耀にあまり物数奇慰み、

それゆえ家事も次第に衰微し」

 

上流階級の花嫁の持参の道具、

懐中品

  匂い袋、鼻紙袋、楊枝刺し、元結鏡、薬入れ印籠、香包

紙類

  色紙、短冊、薄様(薄く梳いた雁皮紙)延紙(上質の鼻紙として

  用いた杉原紙)、杉原紙、半紙、奉書、美濃紙、

  丈長(白髪飾り)巻紙、

手道具類

  琴、三味線、硯箱、料紙、針刺し、張箱、雛、