江戸時代の着物事情。いざ着物を新調!自分で仕立てる?呉服屋で ...

越後屋で切売りをした時は、長屋の連中は1反を買って、

それを6等分にして褌に作った。

褌と言うのは貴重なものですから、

中には質屋に質に出す豪の者もいた。

 

褌は貴重品で、湯屋で盗まれることも多く、

その為、入浴の時も頭に括り付けて入るし、

行き倒れの時も、まず褌を盗んだといいます。

今のレンタル屋である損料屋も褌のレンタルをし、

150文という高値ですが、返す時洗わないでも良い、

という便利さを買われて独身の男に大変人気があったという。

白木屋

ただ、こうした大店というのは、道行く人に声を掛けるように、

きめの細かいサービスをしてたようで、

その証拠に火事があると翌朝すぐ火事見舞いに

来てたといいます。

 

火事が収まると事後報告の瓦版が出ます。

値段は、3,4文から高いものは20から30文でした。

 

 今川橋付近(江戸名所図会)

橋の右上に人だかりがある。

瓦版売りが登場です。

大人の塗り絵〜『江戸名所図会』: 0014今川橋

瓦版売りは違法ですから、必ず見張りを立てて役人が

来るのを見張っていて、来たら直ぐ逃げる。

 

瓦版が最も売れるお題というと三つある。

敵討ち・歌舞伎・心中物でした。

共通してるのは非日常性であることです。

売れることが第一ですから工夫もしてます。

瓦版が集まって組合を作り、そこで検印を貰ってる瓦版は、

どぎつくはないが、そうでない瓦版は、売らんがためが

強く出てる。

 

心中はもっと人気がありかなりの見物人を呼びよせた。

しかも段々見物料が高くなったのです。

 

文化元年(1804)江戸両国川に身を投じた男女の死体が

汐の流れに乗って源平堀と新大橋の間を行き来してました。

名所江戸百景 千住の大はし 

男は21,2か女は16,7歳。

男は揃いの桔梗縞の浴衣、緋縮緬の褌、

女は、白縮緬の腰巻を付け、帯は黒繻子、

男は碁盤縞の真田帯

女の髪は銀鼈甲の簪と笄で飾られていた。

2人は晒しの手拭で鉢巻、お互いの体を緋縮緬の

しごきで結いつけて抱きあがった姿が美しいと評判になり

江戸中から野次馬が押し寄せた。

 

舟を出して見物に行く人が混雑し、

喜んだのが船の船頭で、最初は一人8文だったのが、

見物客が増えるにつれて

値上がりし、16文、24文、32文と成り、

遂には50文にまでなったという。

 

「此の見物を乗せたる舟、幾艘ともしれず、

船頭は情死ありて、

思わぬ銭儲けをしたり」と伝えている。

心中現場
 
 

人気を呼んだのは、女が絶世の美人であったと

いう事もあるが、最大の呼び物は、心中した2人は、

浮き上がった時の姿の美しさを

考えて着飾っていた点でした。