初7日目に、産剃り。

御七夜に頭の髪を切る。

切るのは産婆。

産着 - Wikipedia

100日目は、お宮参り。

土地の産土神に報告するのです

徳川家の場合は、山王神社でした。

 4代将軍・家綱お宮参り

 

男は32日目、女は33日目とされてた。

「味噌漬けの無くなる頃は 宮参り」

産婦が産褥期間中、飯のオカズとした味噌漬けが

無くなるのが丁度その頃でした。

1ヶ月分用意したのです。

 

120日目は「お食い初め」

生飯を膳の向うに置き、膳焼き物は「かながしら」

この「かな頭」については、「和漢3才図会」では、

必ず、この魚で以って賀膳に供す」とある。

健康を意味するものである。

 

そして、食器には鶴や亀の絵が描いてある。

何れも長命な動物であり、

鶴もいる 亀もいるしと乳母は褒め」

乳児の「お食い初め」に、鯔の尾頭付きを付けるのは、

子供がとんとん拍子に出世することを願ったものと云われる。

鯔は大きくなるにつれて名前が変わる。

オボコ、イナッコ、スバシリ、イナである。

30CMを越えると鯔になり、それを更に超えると「トド」になる。

トドのまつりである。

 

蛇足ですが、生娘や初心な女性の事を「おぼこ」というのは、

やはり、鯔の稚魚の名である。

「おぼこ」という事がもう死語であるかもしれない

そして、格好いい若者を「いなせ」というのは、

やはり、鯔から出た言葉である。

此方は時々お目にかかる。

 

「すばしっこい」というのも、「スバシリ」からと云うから

如何に生活に密着した魚であることが判る。

 

お侠とは、男勝りのチャキチャキの娘に対しての言葉です。

ここは、魚河岸が近くて魚が馴染みの場所です。

「いなせ」とは、気風の良い若い衆をさします。

うお座「いな」とは、鯔と云う魚の稚魚ですが、勢いよく「いな」の背が

水面を切っていく様を捉えたものです。

それを、女性に対して「おきゃん」という言葉を充てたものです

 

鯔自体は、このように引用されてるように高級魚では無いが、

しかし、その卵となると別である。

高級食材・スーパーエリートなのです。

カラスミです。

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天下の三珍味がある。

越前の海胆、三河の海鼠腸、そして長崎の唐墨である。

今でもかなり高価なものであるという。

 

高級品といえば「からすみ」があります。

長崎名物ですが、江戸時代にも「本朝食鑑」でも

「肥前野母の産を尊ぶ」とある。

からすみの歴史も古く、明応九年(1500)足利10代将軍が

大内氏に助けを求めて山口に来た時に提供されている。

からすみは400年前に、長崎の野母崎で作ったものを

秀吉に献上された。

形が中国の墨に似ていることから「唐墨」と呼ばれた。

天下の三珍味として、三河の「このわた」、越前の「うに」と並ぶ

逸品である。

 

魚のボラの卵巣から作られ、鯔が子を持つのは長崎辺りを

回遊した為に、作られ名物となった。

江戸時代でも、高級品であり、贈答に多く使われた。

何故か大根と相性がよいとみえて、

組み合わせが絶妙で味わいがある。