大奥は8月がお盆でした。

仏間に提灯や雪洞に火をつけて、皆で拝します。

盆の最初の日には、両親のある者、2日目は片親の者が

新しい着物を着た。

 

盆には迎え火は一切ない。

蓮の葉を広げた上に茄子を細かく切った物を小豆と混ぜ

みそはぎの小枝を小さく束ねた物の先に、別の器の水を

チョンチョンとつけ、蓮の葉の野菜の方にチョンチョンと

掛けるようにする。

そしてお香を焚くのである。

 

祖母は全部の御先祖様の戒名を一人づつ唱えて

その度に拝するのです。

次に家族が1人づつ拝して、女中たちが侍女頭から順に

拝する。

 

皆がずらっと並んでするので、若い女中などは、

コチコチに上がってしまい、面白い間違いをしました。

赤坂の溜池

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この溜池は、当初、神田上水が出来るまでは、

水質も良く水道として使われていました。

池には、蓮の花がよく咲き、不忍池と同じように、

蓮飯が有名で茶店が多く並んでいました。

赤坂の渡しと云う、渡し船もあって、客を運んでいた池も、

次第に埋め立てられて、現代では、赤坂町になってます。

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仏教とともに渡来し蓮華とも呼ばれる蓮の花。

「泥より出でて、泥に染まらず」

泥の中から成長した蓮でも、葉上に受けた水滴をいつまでも

清く保つという意味で、仏教とも関わりが深く、

仏が座っているのは蓮の葉(蓮華座)である。

古来より清浄さを示すものでした。

不忍池蓮見

『江戸名所図会』 不忍池 蓮見 (不忍池は江戸第一の蓮池なりと記されている)

 

出会い茶屋もあり、蓮を見る人、或いは朝早く起きて

蓮が開く音を聞こうとする人で多くの人が集まりました。

そして、蓮料理も人気でした。

蓮飯は蓮の葉にこわ飯を包むものと、

蓮の若葉を飯に刻み込んでの2つがあった。

蓮がまだ大きくならないうちの若葉を細かく刻んで

米と一緒に炊き、それを蓮の葉をお皿にして盛りつけたものである。

 

現代でいえば「大賀ハス」が有名です。

弥生遺跡から発見された2千年前の蓮を見事に発芽させ

花を咲かせたのです。

「大賀ハス」の画像検索結果

蓮は、無駄になるところが少なく、葉、葉の柄、おしべ、実

種など全て食用や薬用にと使えるそうです。

変わったのでは、大きな葉の上に酒を注いで、

茎の切り口から呑むという「荷葉杯」などもあるようです。

 

お盆の時食べた、蓮飯は美味しかったので今も食べます。