離縁は、本人同士の石は関係無しに。

姑の判断で離縁も有ります。

「姑去り」というもので、気に入らない、実際には

家風に合わないからという理由になる。


物差しを手渡しすることについて、文化年間の

「俚諺集覧」では、男女間の付き合い方の

名残であるという。

糸の切れ目が縁の切れ目なのですね。

今も昔も嫁姑の問題は、永遠の課題です。


屁あらそい 娘黄色な声を出し

そこで嫁も、神経を使って

「一つ屁を 花嫁7つほどにひり

本当は1回で済ませたい。


でも、もし高い音が出たらどうしよう。

外の厠ならともかく、内の厠だともしかしたら

聞こえてしまうかもしれない。

そこで小出しに7回に分ける。


何故7回かは不明です。語呂合わせでしょう。

7回では、もう出なくなってるでしょう

これは経験則からの話です。





小咄も多くあります。

「さる娘、持病で屁をひる事有り。

縁談の時に臨んで、2人の腰元に命じた。

何でもひったならば、あいつらを叱れ」



婚礼の晩、座敷に坐るとぶいとひり、

「ここな、pさんとしたことが」、暫くすると又、ぼんとひる。

「ここなお松としたことな」少し過ぎると、又、大きな屁を

ぶいとひって、あたりを見れば腰元は居ず。

「ここなおいどとしたことな」

おいどは、尻の女言葉。




女郎のもある。

「床の内で、女郎ぶいと取り外して、恥ずかしそうに

「もし、主やぁ、さぞ雑なとお思いなんしょうが、

わっちゃぁ、かかさんの病気の願に、

初会の男衆の前で、月に1度づつ恥をかこうと

願立てをしんしたによって、

それで、今のように恥ずかしい事をしんしたから、

必ず人に言っておくなんすよ」


という口の下から、又、一つ、プッとやれば、

「おや、嬉しいのう。来月分まで済みました」


当時は坐るのが普通であったから、屁を我慢するには

踵で尻の穴を塞ぐという方法も取られたようで



嫁の屁は 踵の上で 野垂れ死に

凄い句があったもので、到頭の立たれ死にしてしまった

押さえに押さえつけてのもので、到頭意志貫徹した。

屁も悔やみきれなかったでしょう。

世に出るチャンスを失ったのです。

無念!






婚礼の時はもっと大変です。

「一大事 花嫁どうか屁が出そう」

これは切実です。

綿帽子を被って白無垢の衣裳に包んだ花嫁

三々九度も済むが、足が痺れてきて、

もっと大変なのはガスが出そう。

御家の一大事!



或いは、「嫁の屁は 五臓六腑をかけめぐり」



これが農家に来た花嫁だと違います。

村の嫁 踵の割れで 屁を挟み

足などはひび割れしてるのが普通です。

そのひび割れに挟んで外に出さない。

しかし、洩れていても、ひび割れの間から出てるので

少し臭ってるという状況です。


江戸と上方の便所は比較

左が江戸で右が上方の雪隠

江戸は戸が下半分しか無く、上方は全面式。


中の人の上半身が丸見えで、屈むと中から見えない。

逆に外からは覗きこむと見えてしまう。

戸の表面には必ず「開け放し無用」の張り紙がある。





当然ながら、臭いがしますから、長屋などでは、

該当する部屋の家賃は他よりも50文くらい

安いことも有る。

「雪隠の向うの長屋50安」



長屋の便所


吉原遊郭にも便所が有ります。

何故か、2階にあるのですが、

「こりゃ、喜助、小便所までは何里ある」

喜助というのは、若い者の名ですね。

どんな年を取っていても、皆若い者と呼ばれます。


今、客が1回部屋に来た遊女が、便所へと云って

苛立ってるところです。


吉原などは、気に入らない客や或いは、指名が入って

掛け持ちで客に応対する場合など、部屋から部屋へ

回って仕事します。

これを「まわし」といいます。


大体、帰ってこない場合がありますが、

見栄を張って催促しません

悠々と煙草を喫ってるふりします

手水場(ちょうずば)

吉原の便所というと、吉原の便所は、廊下を隔てて

7丁の土手よりも高く、南楼の雪隠は2階に続き

百歩の御殿山よりも高しとは、知る人と知る世界の洒落」

戻ってこないか、遅くなるのが通例で、運よく、戻ってきても

がっついたところを見せずに、寝てた振りをしているのです。

それくらい、遊女の便所は長いのです。



今でも外にトイレがある家が有りますが

中でするのと外でするのでは状況が違います。

特に嫁さんはそうです。

内のトイレの場合、もし音が聞こえたらと心配で

後架でも 花嫁尻すぼめてる


似たようなもの

「屁が出そう 小便おしみおしみたれ」

これは、両方一緒にすると、もし高い音が出ると困るので

屁が出ない様に、オシッコを加減してる様子。

今のような水洗は無いから、

水を流してというのが出来ない。

大変だったのです。


ちなみに、小便は膀胱に溜まって出てくるのは

当たり前ですが

次のような話もある。

婦人の膀胱には色々なのがある。

花魁のは勤め奉公、下女は飯炊き奉公、

カカアのは乳母奉公

婆さんは雇い奉公、娘は妾奉公。

膀胱と奉公を掛けたものである。