これは、絵の文からのものです。
この虫の音を聞くという、優雅としか言えない文化は江戸時代にしかないでしょう。
道灌山とは、現代の京浜東北線・日暮里・田端間の線路のうえにある台地です。
(急に興ざめしてしまいます)現代では、西日暮里公園です。
江戸時代には眺めがよく、筑波や日光の連山、そして下総(現市川市)などをのぞむことができた。
勿論、今は、昔の面影などかけらもありません。
古くは、日暮里から赤羽の間の丘をも道灌山と呼んだといいます。
道灌山の地名の由来として、中世、新堀(日暮里)の土豪、関道灌が屋敷を構えたとか、
江戸城を築いた太田道灌が出城を造ったなどの伝承があります。
ひぐらしの里は、江戸時代、人々が日の暮れるのも忘れて四季おりおりの景色を楽しんだところから、
「新堀」に「日暮里」の文字をあてたと言われています。
当時は薬草が豊富で、一年中採取者が訪れていたという。
場所によって鳴く虫が違うため、鈴虫の声を聞きたい時は飛鳥山、
松虫の場合は道灌山というようにその時々の気分によって使い分けていたようです。
それほどまでに当時の人々の虫の声への関心は高く、自宅で飼いたいという人も
出てきたため、市中には竹かごに虫を入れて売り歩く虫屋もいました。
今夜も、丘に茣蓙を敷いた三人ずれが、月を愛で、酒を呑み交わし、虫の音を楽しんでいます。
あちこちに虫がいるのが判ります。
左の坂道を上がってくるのは、子供連れの親子です。
虫かごを持った子供を連れ、うちわを手にして楽しそうに話をしています。
何ともいえない江戸の光景です。
遠くは、日光、筑波。下総の国府台、南千住、三河島なども一望に見渡せて明媚なところです。
「稲の花 道灌山の 日和かな」 子規
