弓師

武門の家という言葉が有ります。

まず挙げられるのが、「弓」です。

那須与一が、源平合戦で舟の上から相手の舟の白扇を見事に射落としたのが有名です。

源氏の名誉と武名を挙げた訳です。

古き時代には、大きな音を出しながら飛んで行く鏑矢を放って戦闘の開始を告げました。

江戸時代にも、京都に三十三間堂(120mくらい)を作り、通し矢を競い、

藩の名誉をかけ最高では、1万本以上の矢を通した記録があります。


戦国時代には、自分で作るように、庭に竹を植え、自家製の弓を作っていました。

材料としてお勧めは、真竹の3年もの。

ポイントは、「弓打ち」と云われる作業。弓の形を決めていく。

最も重要な工程。下の写真。

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矢師

矢は、昔は柳や葦を使ったが、江戸時代は竹である。

矢には、矢羽がつくが、材料としては、鷲や鷹、朱鷺などの羽を使った。

なかでも、鷲は、真鳥といいその羽は、「真羽」と呼ばれ珍重した。

鷲の羽は、斑(まだら)の入り方によって本黒、本白、妻白、白尾、黒ツ羽、雪白に分かれる。

最上なのは、羽を広げた時に両端に出る羽を「石打ちの羽」と云い、特に珍重された。


このような、羽は、贈答品として使われ、使用目的ではなく。蒐集用としてのみ扱われた。



根鍛治師

矢の先端に付いているのが「鏃」である。これを作る職人。

矢の先端にあるので、狙ったものに突き刺さる。

古くは、石や骨だが、江戸時代は鉄を使っていた。


刀鍛冶の部門であったが、多く仕事が出た為に間に合わず、専門の職人が現れた。

根鍛治の意味は、矢の鏃の事を「矢の根」と呼んでいたから。


鏃にも形が有り柳の形の「柳葉」、槇の葉に似た「槇葉」。

これらは、戦闘用である。


弦掛師

矢に弓状に掛かっている弦のことで、弓師とは別に職人がいた。


「手ぐすねを引いて待つ」という言葉が有ります。十分に準備をして、手この攻めを待つ

という事ですが、この言葉は、「弦」に関係しています。

弦に塗って、補強するもので、松脂を菜種油で練ったものが有ります。これを「薬煉」(くすね)といいます。

ここから出た言葉だそうです。


弦に使われるのは、「からむし」と「麻」。

これらを、松脂で練り、片捻りして「弦」になる。

指で糸を撚りながら太くして強くしていくわけですから、やはり根気のいる仕事です。


蛇足ですが、自分も埋蔵文化財センターでバイトをした時に、縄の縒り方を教えてもらいました。

古代縄文の人は、糸を縒って縄にして作ったそうです。

指先で縒るのですが、「コツ」を掴むのに苦労したことを覚えています。

縒って編むのです。


「からむし」や「麻」で作った弦は、上手達者が引くと、鋭い音が出るそうです。

弓と弦との関係は、微妙で強すぎず弱すぎずというもので、凡人には判りません。