偏執狂短編集Ⅲ 赭の章(2017年6月5日マチネ) | 白い袴は紺屋の羽根飾り(こころいき)

Voyantroupe第三回本公演。

サンモールスタジオにて。

 

Paranoia Papers赭・黝の二章のうち、赭を観劇。

 

『ジルドレと黒魔術』

ジル・ド・レ/窪田裕仁郎さん

プレラティ/紅日毬子さん

マリー/春名風花さん

カトリーヌ/沈ゆうこさん

ピエール/山下 諒さん

マレストロワ/邑上笙太朗さん

フレディ/里仲 景さん

少年1/早坂カラスさん

少年2/酒井菜々夏さん

 

『快楽刑』

A/大森さつきさん

B/宇野正玖さん

Y/重野祐輝さん

J/田口真太朗さん

P/根来武志さん

K/鈴木大二郎さん

 

『バートリ・エルジェーベト・リバイバル』

バートリ/川添美和さん

ドルコ/加々見千懐さん

ヤノシュ/折原啓太さん

フィレンツォ/常川博行さん

アルイーズ/酒井菜々夏さん

イルデコ/永渕沙弥さん

ジュリエッタ/大森さつきさん

マグダレナ/里仲景さん

トゥルゾー/丸山 翔さん

マーチャーシュ/渡辺一人さん

侍女(農家の娘1)/名無しの千夜子さん

農家の娘2/市松さん

獄卒1/山本恵太郎さん

獄卒2/井口ジョージさん

獄卒3/鈴木大二郎さん

獄卒4/邑上笙太朗さん

 

倒錯した視点により、巷間を慄然とさせた所業の記録。

耽美は酸鼻に。

享楽は崩壊に。

爛熟は闇黒に。

 

かつて救国の英雄であったジル・ド・レは、頽廃と荒淫の末に刑に処されることとなる。

滅亡へ導いたプレラティの扇動と策略を、ジルが恋い焦がれるジャンヌ・ダルクの再誕たらんと欲するマリー、元執事にして司直となったピエールとを絡めてジルの狂気を描く。

 

マフィアにはしきたりがある。

法には粗い目がある。

零れ落ちる愛が真実なのか。

愛していた。

過去形で語りながら、魂は流離しない。

 

バートリ家の紋章は狼の牙三本であったと記憶している。

吸血の血脈を暗示していると聞かされて中世貴族の闇にさもあろうと頷いたものである。

王家と諸侯と宗教と小昏い精神が血脈を保っていた。

幽閉のエルジェーベトの怨嗟を闇に響かせた。

 

 

稗史である。

勝者が記す歪められた正史に書かれない、貶められた敗残の者が血で残した裏面史。

 

俳優の肉体を筆に、劇場という史書に刻んだ記録。

偏執狂短編集。