出版社

KADOKAWA 

発売日 

2024/6/13

言語

日本語

文庫 

480ページ

カバーイラスト

山田章博

カバーデザイン

鈴木久美

ISBN-13

978-4041147320

あらすじ

 第一章 転校生

三峯学園に、

転校生としてやってきた

白石要

 

彼は

見るからに影があり

以前の学校の制服であろう

襟詰を着ていた

 

クラスの委員長・原野澪は

彼に学校を案内するが

いきなり

「今日、家に行ってもいいはてなマーク

と言われて驚く

 

その場は

何とかやり過ごすが

その後も要は

友達を作る様子もなく、

昼ごはんを食べる様子もなく

クラスから浮いている

 

又、澪に対しても

教えてもいない澪の家付近に

出没したり

澪に執着している様子に

変化はなさそう

 

澪は要の事を、

以前から好意を抱いていた

陸上部の憧れの先輩の

神原一太に相談する

 

神原は澪のことを心配し、

家まで

送ってくれるようになり

思わぬ形で付き合うことに

 

そうなると

要の澪へのストーカー行為が

ますます激しくなり、

一太と別れるようにと

しつこく迫ってくることも

 

最初は優しかった神原も

要に対する澪の態度が

煮え切らない事を発端に、

 

澪の態度や考え方等

すべてを否定するようになり、

まるでモラハラのよう

 

要を遠ざける事が出来たが

今度は神原自体が

恐怖の対象に

なってしまった澪

 

不安と恐怖におびえる澪だが・・

ある事をきっかけに

要が自分の味方だった事に

気づく

 

第二章 隣人

 

元アナウンサーの三木島梨津は、

学校のボランティア活動で

読み聞かせ委員会に参加

 

同じメンバーには

梨津の住むサワタリ団地の

デザイナー・沢渡博美がいた

 

センスが良く、

人柄も良い博美だったが

何度となく接するうちに

だんだんと

博美の異常さに気付く

 

というのも彼女は

自分以外の人間が

話の中心になっていることに

我慢がならない

マウント女だった

 

同じ読み聞かせ委員会には

神原かおりという女性がおり

彼女は博美とは

真逆のタイプで

 

保護者の中に

仲の良い人も見られず

浮いた存在

 

博美の梨津に対する対抗心は

どんどんエスカレートし

とうとう思い込みだけで怒り、

電話越しに怒鳴ってくるほど

博美は

追い詰められていたのだった

 

全くそんなつもりのない梨津は

ただ戸惑うばかり

 

だが

その電話の直後に

博美が転落死したことを知る

 

ところが、

博美のいなくなった

LINEグループで、

博美の代わりに

中心にいる人物が現れた

 

それが神原かおりだった

 

梨津以外のママ友は、

特に不審に思う様子もなく

今まで通り会話を続けている

 

恐怖に駆られた

梨津の部屋の玄関ドアを

誰かが叩く

 

インターホンを

押しながら呼びかけているのは

かおり

 

しつこすぎる呼びかけに

たまらず梨津はドアを開け、

かおりの顔を見た後、

梨津は

自分の悲鳴と体が地面に

たたきつけられる音を聞く

 

第三章 同僚

 

ヨツミヤフーズいう食品会社で

営業マンとして働いている

鈴井俊哉

 

毎日課長に

理不尽な叱責を受けている

年配のジンさんを

不憫に思うと同時に、

課長に対して憎しみを

感じるようになっていた

 

 ある日、

ジンさんの奥さんが

事故にあったと連絡が入り

ジンさんは会社を休むことに

 

ところが、課長は

そんなジンさんにも電話をかけ、

とりとめのない愚痴のような話を

延々と3時間も続けていたらしい

 

そして

ジンさんの奥さんが亡くなった、

という知らせが入り、

課長は完全に人望を失い

取引先とも揉め、左遷

 

新しい課長は

同じ部署で全員から尊敬され、

慕われていた丸山睦美だが

 

課長になった途端、

丸山睦美の

ジンさんに対する態度が

以前の課長のそれに

だんだんと似てきた

 

鈴井はジンさんと一緒に

営業を回り

年配のジンさんの良さを認識し

ジンさんではなく

あだ名の元となった苗字で

呼ぼうと思うようになった

 

神原さん、と。

 

第四章 班長

 

区立楠道小学校に

神原二子という男の子が

転校してきた

 

彼は、

勉強のよくできる

大人しい生徒

 

それまでは

中尾虎之介中心に

回っていたクラスだったが

二子は虎之介に対して

悪いこと悪いと

きちんと咎める

 

忘れ物をしても物を貸さない、

教科書を見せない

 

挙句の果てには

二子は

クラス全体を巻き込んで

虎之介の家に毎日行き、

忘れ物をしないよう、

宿題をするよう

見張りをするように

 

クラスの雰囲気は

どんどん異常になり

二子が正しいことを

言っているので

誰も止められない

 

とうとう虎之介の親は

ノイローゼのようになり

虎之介も大人しくなり

 

その結果、

母親は自殺し、

虎之介自身は

父親と事故死してしまう

 

 学校全体が

異常な雰囲気に

なっていった頃・・

白石要が

大学生になった原野澪の前に

再び現れる

 

彼は、

一太と共に姿を消した花果が

見つかったと告げ、

一緒に連れて行って欲しいと

頼んだ澪の願いを

聞き入れてくれたのだった

 

向かった先は

沢渡夫妻が設計した

サワタリ団地

 

そこで澪が見たものは・・

要と神原家の関係は・・

 

感想

全く違う短編集のようかと

思いきや

 

途中で同じ苗字が出てきたので

もしや、と思ったら

やっぱり最後は全てが繋がり、

 

でもその繋がり方は

全く予想だにしていなかったので

と~っても面白かった

 

作中では

殺人だの恐ろしい事が

多々起きていて

現実とは

遠いような気がするけれど

 

優しさのふり

親切のふり

正義のふり

味方のふり

仲間のふり

 

そういうふりで

支配したい、

虐めたい、

困らせたい

依存させたい

という

闇の気持ちを押し付けたり・・

 

正しさを盾に人を煽動したり・・

 

寄り添うようでいて支配する・・

 

正しいこと言ってるけど

なんか違う・・

 

そして

支配された方も気づかず

闇におちてゆく・・

 

宗教に限らず

親子でも師弟関係など等

 

そうか、あれは闇祓だったんだと、

日常でもそんな事がままある事に

気づいた

 

自分がそうならないように

そうしないように

気をつけよ~と思った

 

「闇祓」

”やみばらい”ではなく

やみはら

 

著者が作った造語

 

①周囲に自分の闇を振りまいて

相手に不快な思いをさせる

「闇ハラスメント(闇ハラ)」

 

②闇を祓う

 

エピローグ含めて

怖いけれど面白くて一気読み

 おまけ

7/18
上4:08 下4:33

日の出4:11

前日から+1

日の入19:09

全日から-1

⏫32度⏬21度晴れ

なりたい自分にちまけいで

  7/18

年齢:57歳

BMI:22.4

昨日の歩数:7307歩走る人

無事過ごせて感謝音譜

 

    

今日のことば

闇と見える暗がりも、

落ち着いて目を凝(こ)らせば、

やがて

動くものの存在が見えてくる。

そこを逃さず飛びつけば、

チャンスは必ずものにできる。

-斎藤茂太-