出版社

文藝春秋

第1刷

2020/3/10

言語

日本語

文庫

368ページ

ISBN-13 

978-4167914554

定価

814円

イラスト

元祖ふとねこ堂

デザイン

大久保明子

概略

離婚歴のある25歳の
お咲は
 産みの母親が
亡くなった義父から
借りた金を返しながら
介抱人の仕事を
している
 
お咲の介抱は
食事をさせるのは勿論、
下の世話も
汚れた襁褓を洗うのも
介抱人の仕事なので
 一瞬も気を抜けず
 
昼も夜も目を離せない
年寄りばかりなので
原則3日泊まり込み
 

睡眠不足で

精神をすり減らし、

3日目には体が重くなる程

疲れはてている

 

しかも帰宅後は

佐和の世話も
しなければならない
 
佐和は
誰もが振り向くほどの
美貌の持主で
 
四十を越えた今も
その美しさは
衰えることはないが
美しいだけで
生活力ゼロ
家事力ゼロ
 
計画的にお金を使うことも
できず、
隠したお金も使ってしまう
 
妾奉公を繰り返し
身勝手に生きる母を
許すことができないお先
 
「いなくなってくれればいい」
何度そうおもったことか
 
そんなお咲の
唯一の慰みは、
義父からもらった
銀の猫の根付
 
何かあるたび、
挫けそうになるたび、
お咲は
懐の銀の猫を握りしめて、
歯を食いしばる
 
そんな時
誰もが楽になれる
知恵を詰め込んだ
「介抱指南」を作りたいと
貸し本屋から協力を
求められたお咲だが・・
 
目次
・ 銀の猫
・ 隠居道楽
 ・福来雀(ふくらすずめ)
 ・春蘭
 ・半化粧
・ 菊と秋刀魚
・ 狸寝入り
・ 今朝の春
 
 

感想

お年寄りといっても、
その性格は様々だし
症状もさまざま
 
お咲は、
それぞれの性格や症状、
さらに家族の事情に
細かく配慮しながら、
心を込めて介護する
 
家族だからといって
完璧な介護が
できる訳ではなく、
そんな時に
介護人のような
適当な距離にいる第三者や
近所の繋がりが必要な事もあり
 
そして
介護人を理解する人も必要
 
江戸時代
年寄りの介護の担い手は
一家の主人だったそう
 
幕臣は
所定の手続きをすれば
親の介護のために
休みを取ることもできたとか
 
それがいつの間に
嫁が介護するようになったのやら!?
 
今でいうところの訪問介護が
江戸時代にあったかどうかは
わからないけれど
 
いろいろなパターンの
家族が出てきて
改めて人との距離や
付き合い方を考えさせられた
 
介護先のご隠居が
詠んだ唄に
思わず笑わさる
 
しわがよる、
ほくろができる、
せはちぢむ
 
頭ははげる、
毛は白くなる、
手はふるう、
くどくなる、
気短になる、
心はひがむ、
死にともながる、
淋しがる、
世話をしたがる
 
又しても同じで咄に、
子をほめる、
達者自慢に
人はいやがる・・
 
お年寄りの様子は
現代と同じ
 
介護する様子もまた
現代と同じ
 
人の手を介するだけに
時を経ても
介護の大変さは
変わることがないのだろうかぐすん
 
AIで介護・・
今はまだ癒す事位しか
出来ていないようだけれど
今後はAIで
表情や仕草など等を
読み取ることが出来るようになって
AIで介護もするのかしらん!?
 
父を介護してくれている妹の話や
周囲の介護の話を聞いていたので
その様子が手に取るようにわかり
他人事ではなかった
 
面白くて一気読みキラキラ
 
おぶんさんみたいな人になりたいニコ
 

おまけ

 

6/20 5:00

日の出3:55 -0

日の入19:17 +0

⏫26度⏬16度くもり

蒸し蒸し日

なりたい自分にちまけいで

 6/20

体内年齢:57歳

BMI:22.3

昨日の歩数:7936歩走る人

無事過ごせて感謝音譜

 
    
今日のことば

 私はその人柄のなかに

老人的なものを

幾らか持っている青年を

好ましく思う。

同じように

青年的なものを

幾らか持っている老人を

好ましく思う。

このような人柄の人間は

体が年をとっても

心が老いることは決してない。

-キケロ-