出版社

‎新潮社

発行

令和三年十二月一日

言語

日本語

カバー装画

agoera

文庫

546ページ

ISBN-13

978-4101316734


概略

建築士として、
順風満帆に見える日々を
過ごしていた青瀬稔

しかし
バブル崩壊により
状況は一変

青瀬は
リストラされる前に
自ら退職するが

そのまま
次の職を見つけられず、
家計に余裕がなくなり
妻・ゆかりとも衝突が増え
離婚

現在は
大学の同級生・岡崎が経営する
岡崎設計事務所に拾われ、
建築士として働いているが
建築に対する情熱は
失われていた

そんな青瀬が
唯一情熱を取り戻した仕事が、
吉野夫婦からの依頼で
「あなたが住みたい家を
建てて下さい」と
いうもの

青瀬は渾身相違の下
Y邸を建て、
そのY邸は
青瀬の最高傑作となり、
『平成すまい二〇〇選』にも
選ばれ、評判を呼び、
他の客からも
同じような家を
建てて欲しいという依頼が
来るほどだった

しかしそのY邸に
吉野夫妻が住んでいない、
という連絡を受け
現地へ赴くと

やはり
人の住んだ気配は無く
二階の北向きの部屋の窓に
世界的な建築家の
ブルーノ・タウトの椅子が
ボツンと置かれていただけ

出来上がりに満足し
3000万円もの代金を払い
なぜ引っ越してないのか
なぜ行方がわからないのか

建築士としてどうしても
納得がいかない青瀬は
その椅子の存在を基に
独自の調査で
吉野夫妻の行方を
追いかける

そんな中、画家の
「藤宮春子メモワール」の
コンペに挑む事になり
岡崎にも異変が・・

コンペと並行して
徐々に青瀬と吉野との
過去の繋がりに
近付いて行く

感想

「64」以来の
横山秀夫作品

青瀬が
自分自身の人生を
重ねて建築したY邸

吉野が住んでいない理由を
探るべく
唯一置かれていた椅子の
ルーツをから調べるが
結局それは青瀬が
自身のルーツを振り返り
自身の問題と直面する事

又、青瀬の行動で
吉野も岡島も
家族と向き合い
問題解決したのも良かった

家とは
建物を指す場合もあり
家族を指す場合もあり、

その両方と
高度成長期の働き方
仕事
タウトなどを絡め
盛り沢山だが

上手く絡み合っているので
ページをめくる手が
止まらない

ちょうど
一人用椅子を探していたので
座り心地がよさげな
タウトの椅子に興味津々

タウトが
唯一日本に残した作品の
旧日向家熱海別邸地下室も
みてみたい

「ノースライト」
建物の中に
北側から差し込む
穏やかな光のこと

読みごたえたっぷり
一気読み

おまけ

5/30 4:26

日の出3:59 -1
日の入19:05 +0
⏫16度⏬9度晴れ
ベランダのお花たち
室内へ避難

なりたい自分にちまけいで

 5/30
体内年齢:55歳
BMI:22.2
昨日の歩数:7,542歩走る人
無事過ごせて感謝音譜

    

今日のことば

より少ないことは、

より豊かなこと。

-ミース・ファン・デル・ローエ-