出版社

勉誠出版 

初版発行

2013/4/5

言語 

日本語

単行本(ソフトカバー)

272ページ

定価

1980円

ISBN-13 

978-4585295372

概要

ソルボンヌ大学に

論文を提出後

過労と風邪の為

肺炎で倒れ、

瀕死の重病人になり

入院した次郎


ようやく快復したが

その後肺結核に

冒されている事が

わかった


日本では当時、

肺結核は死病と

考えられていた為

慣れない地に住み

孤独だった妻の節子は

今までなに不自由なく

育てられたお嬢様故

自分の事を一番に

考えてくれない次郎よりも

実家の両親に心を寄せ

これを機に

帰国を考える


が、娘と自分だけで

帰国するには

心もとない為、


妻子のためならば

死ぬ覚悟で

一緒に帰国するのが

夫の愛だと

次郎に詰め寄り


結局次郎が

長期航海に耐えられる体力を

つけた頃に

帰国する事になった


この時

次郎は次郎で

妻子を日本に送り届けたら

再度フランスへ

戻るつもりだった


療養中の為帰国後は

次郎にとっては

不本意ながらも

節子の両親の下で

過ごす事に


帰国後次郎は

日本の深刻な不況と

思想が入り乱れ、

気候や風土、考え方等

あまりにも日本とフランスは

かけはなれている事を

痛感する


フランスで入院中に

同じ病室で小説家の

ケッセルと本を書き

出版するという話があり、


自分は将来、

小説を書きたいと

節子や有田氏、

田部氏に言うが

有田氏や節子はもちろん、

自分の気持ちを

わかってくれるであろう

田部氏にも思いがけず

反対される


小説家として

自分の才能を測るべく

新聞社主催の懸賞小説に

応募し入賞したり

新聞社から

連載の話を貰うも、


節子、有田氏、田部氏には

理解を得られず

心は遠退くばかり


そうこうするうちに

有田氏が選挙に

出馬し、

有田氏の心根も露になり


ますます次郎は

経済的自立を

考えるのだった


感想

前回
次郎が結婚して
フランスへ行ったので
今回は
そのフランスに
行った話かと思いきや
いきなり冒頭は
神戸に降り立った話

しかも留学は
5年だったはずなのに
4年半

その間次郎が
どんな風に暮らし
どんな影響を受けたか
どんな成長をしたか等
知りたかったけれど

この「人間の運命」は
日本を書く為なので
意識して
触れていないらしい

後に別冊として
次郎の幼年期のことも含めて
出すことを考えている、
との事らしいので
安心しました

それはそうと
帰国後次郎は孤立無援

日本の気候や風土は
肺結核の次郎には
良いことはまるでなく
日本では医師も
肺結核は死ぬ病気だと考え
最初から諦めており
環境が整っているフランスへ
一日も早く行きたい次郎

まずは経済的自立だが
節子は
自分の父の有田氏は
次郎を
自分の事業の片腕として
使いたい、
ゆくゆくは後継者にと
考えているので
それでいいのではないか

節子にとっても
実父の事業を
夫が手伝う図式は
自分も苦労せず
世間体にも見映えが良い

でも次郎は
アドラーの
「課題の分離」を
していました

有田氏の後継者問題は
有田氏の問題であり
自分は何をするのかは
あくまでも
自分の問題だと
言いきってました

普通だと
節子のように考えて
敷かれたレールを
そのまま進みそう

極貧を経験しているから
尚のこと、
敷かれたレールに
フラフラと行きそうなのに

次郎はどんな時でも
自分の考えを持ち、
何があっても
決してぶれず
自分の道は
自分で切り拓こうと
しているのがすごい

大塚やケッセルなど
次郎を理解している
友人知人は
次郎にとっては
自分を理解しようともしない
肉親よりも
心強いのでしょう

そういう人の許に
行きたくなりますもんね

有田氏のように
私利私欲ではなく
次郎の言動は全て
人々の為

アドラーの
課題の分離
他社信頼
他社貢献

全て次郎に
当てはまります

有田氏の出馬や
周囲の縁故関係で
本人の気持ちとは裏腹に
だんだん政界にも
顔を出すようなった次郎

小説家になる道も
つきはじめてきました

ますます目が離せない
次郎です

おまけ

5/21  4:59
日の出4:05 -1
日の入18:57 +1
⏫15度⏬10度くもり

なりたい自分にちまけいで

 5/21
体内年齢:56歳
BMI:22.2
昨日の歩数:8,003歩走る人
無事過ごせて感謝音譜

    

今日のことば

あなたの心が

正しいと思うことをしなさい。 

どっちにしたって

批判されるのだから。

-エレノアルーズベルト-