出版社

光文社

発売日

2022/12/13

言語

 日本語

文庫 

 352ページ

カバーデザイン

岡 孝治

定価

814円

ISBN-13 

978-4334794552

 

概要

職場の上司と不倫し

二人の子供を置いて離婚した

北沢藍

 

ある日

弁護士から連絡があり

実家の母が祖母を刺し

留置所にいるという

 

藍は数年前、

昔から男にだらしない母と

お金にがめつい祖母が

絶えずケンカをしており

自分の居場所がなく

逃げるように

実家を出たのだった

 

丁度金銭的にも困っていたので

藍が工面した保釈金で

釈放された母と退院した祖母と

やむを得ず

一緒に暮らす事に

 

同じ部屋にいるだけでケンカをし、

思いやる事も

気遣いもない

戸籍上だけの家族

 

そんな家族と

唯一交流があったのが

隣に住む幼馴染の美代子だった

 

美代子は

彼女の母親が家を出た後、

祖母と父を介護をし、看取り

残された祖父の介護をしていた

 

お互い親の事などを

話すようになり

徐々に美代子と関わりを深める

 

ある日美代子の家に行った際

ふいに聞こえてきたのは

「りえこお、りえこお」と

美代子以外の名前を

連呼する声

 

しかも

その後に続いて聞こえてきたのが

関西弁

 

たしか美代子の祖父は

江戸っ子だと

聞いていたが・・

 

実は美代子には

ある秘密があり

それを打ち明けられた藍だが

時既に遅し

 

美代子の思うがままに

操られる藍だった

 

感想

原田ひ香さん

「三千円の使い方」以来

二冊目

 

今回は

生活保護費の不正受給の仕方や

介護や貧困、年金の事を

孕んだ作品でした

 

なんとか税などは

有無を言わさず搾取されるが

恩恵を受けるとなると

情報は少なく、

「知らないのが悪い」

と言われて泣き寝入り

 

腑に落ちないことが

世の中盛り沢山で

結局弱者が負のループから

抜けだせない事がままあり

 

そんな事も含めて

書かれているけれど

 

なんと言っても

美代子がやっていた事って

弱者の美代子が

自分が生きる為に

必死で考えた

生きる術なのでしょう

 

それにしても

グロすぎて

ビックらポンでした

 

藍は藍で

親を嫌いつつも

影響を多分に受け

不倫相手に

「底知れない品の悪さ」

と言われる始末

 

育った環境には

抗えない影響があるという事を

この言葉が表現していると思う

 

自分で気づかないけど

そこかしこに

滲み出ているのでしょう

 

そういう顔にも

なっていたのかも

 

グロくて

ほのぼのでもなく

癒されもせず

ちょっと考えさせられて

一気読み

 

「DRY」

きっとあれのこと・・

怖いわ

 

 

おまけ

4/18 5:05

日の出 4:48 -1

日の入 18:20 +1

昼の長さ13h32m +3

⏫14度⏬11度雨

なりたい自分にちまけいで

4/18

体内年齢:56歳

BMI:22.0

昨日の歩数:7305歩走る人

無事過ごせて感謝音譜

 

    

今日のことば

いのちは大切だ。

と、言われるより、

あなたが大切だ。

と、言われた方が

生きてゆける。

 

-渡辺和子-