忘れる力
出版社
潮出版社 (2012/2/2)
発売日
2012/2/2
言語
日本語
単行本(ソフトカバー)
174ページ
定価
1320円
ISBN-13
978-4267018930
楽しく読めるエッセイ27編
抜粋
第1部
創るチカラ
・文法の創造
子供は10歳までは
皆天才
その後潜在的能力を
減らして
ただの子になっていく
奇跡的に
忘れなかった子が天才に
・命名の妙
「朝廷」 というが、
なぜ 「朝」 なのか。
東京に
台東区という名の
区がある。
なぜ 「台東」 なのか。
など、
命名に関する解説
他
第2部
ことばの旅
・△と▽
なぜ日本人は
英語を聞き取るのが
苦手なのか
日本語の構造が、
冒頭が軽く
末尾が重い後方重心型を
しているから。
日本語は
話しはじめを
聞き落としても
大きな問題には
ならならないことが多い。
話の最後に
結末がひっくり返る、
ということもよくある。
そんな耳の感覚を
培っている日本人には、
日本語とは
正反対の構造をしている
英語の前方重心型が
どうしても
聞き取りにくいようだ。
日本語の構造に
慣れているがための
弊害である。
他
第3部
あたまの散歩道
・健忘のススメ
われわれは、
忘却によって、
頭がよくなっている。
忘れるのを恐れるのは
誤りである。
そういえば、かつては、
よく忘れるのを
“健忘”といい、
健忘症という言い方が
あった。
健という文字は
ダテではないような
気がする。
・又寝考
頭を
有効活用する方法として、
睡眠と散歩がある
時間がないからと
夜更かしをしたときより、
夜ぐっすり眠ったあとの
朝の方が頭が
すっきりして
勉強も仕事もはかどる。
昨日の夜に
解決できなかった問題を、
次の日の朝になってから
考えると
するする解けた経験を通し
夜型から朝型へ切り替え、
睡眠の大切さを
実感したあと、
実践してみたのは
昼の睡眠
それを「又寝」と呼ぶ
・比喩の世界
寺田寅彦氏・・
「科学者になるには、
頭のよい人より
頭の悪い人の方が
適している。
頭のいい人は
足の速い旅人のようであり、
頭の悪い人は
足の遅い人である。
足の速い人が
見落としていくものを、
あとから行く足ののろい人は
苦もなく拾い上げて
成果を上げることができる」
(「科学者のあたま」)
具体的な
エピソードをもとに、
日頃
何気なく使っている言葉や
言語表現に対して
著者特有の切り口で
語られています。
感想
日本語の
主語と述語の話や
文法や敬語、比喩など
言葉の話がメインで
タイトルの
「忘れる力」の話が
最後に少し出てくるだけ
でも
語り口調がユニークなので
タイトルに固執しなければ
面白く読めます
肝心要の「忘れる力」で
書かれている睡眠・・
今では
記憶の定着や整理の他、
疲労回復や
生活習慣病の予防など
心身の健康維持の効力が
あるとされ、
かの大谷選手も
一日12時間睡眠だとか
いわれていますが、
著者が刊行された、
2012年時点では
その効力は
一般的にはさほど
知られていなかったのかも
睡眠中に
頭の中が整理され、
不要と判断された事が
忘れるということになり、
忘れることによって、
空いた容量に
次の新しい情報が事入り
の繰り返し
かくいう自分も
ブログ投稿は朝
夜は
頭がパンパンのようで
回転が鈍く、
なかなか文章が進みません
朝型に切り替えたところ、
サクサク
夜の三時間位が
朝の一時間に
匹敵する位違います
睡眠は
記憶力に与える影響も
大きいようです
悲しいかな、自分は
睡眠時間が短いので
記憶力が良くないのかも、
と思ってしまいました
「忘れる」力・・
も少し知らない事を知りたかった
へぇ~
なるほど~
トリビアや
著者特有の考え方や
言い回しが面白く
サクッと読める本です