出版社 

集英社 

第1刷

 2023/7/30

言語 

日本語

文庫 

608ページ

カバーデザイン

大久保伸子

装画

森類

ISBN-13 

978-4087445442

定価

1265円

概要

文豪、そして軍医としても活躍した、

森鴎外の家族は

文筆一家

 

妻・志げは小説を書き、

医学者の長男・於菟(おと)は

鴎外の回想記を著し、

次男の不律(ふりつ)は早世したが、

長女の茉莉は作家、

次女の小堀杏奴(あんぬ)は

随筆家として名を残す

 

三男の類も

絵画や小説、詩に没頭するが・・

 

カラーパレット鉛筆

 

明治44年に生まれた類

 

少年時代は、

優しい父と美しい母志げ、

姉の茉莉、杏奴とともに

千駄木の大きな屋敷で

何不自由なく暮らしていた

 

が、大正11年

父が亡くなり、生活は一変

 

何くれと支えになっていた父を

亡くした事で

大きな喪失を抱えながら、

姉の杏奴とともに画業を志し

昭和6年パリへ留学

 

帰国後に母を看取り、

やがて、

画家・安宅安五郎の娘・美穂と

結婚するも

父・鴎外から受け取った財産が

瞬く間に失われ困窮

 

小説や詩の才能を

開花させようとしたが

なかなか芽が出せず

出版社勤務や

美術講師の仕事も

長続きしない

 

昭和26年

自宅の一角に書店を開業して

生活の糧とし

多忙な日々の中で

分筆に勤しむ

 

そんな中、ある雑誌に

家族に関する随筆の連載を始め

才能を認められていくが

姉たちから反発を受けてしまう

 

また、昭和31年に

初の著書「鴎外の子供たち」を

出版

 

少年時代やパリ留学、

そして書店開業にまつわる

悲喜こもごもを率直に書き、

話題を呼んだ

 

 明治から平成を生きた類は

80歳の人生を全う

 

偉大な父と

名を馳せた姉達の陰に隠れ、

創作に情熱を傾けた

男の一生

 

感想

森鴎外の事は知ってても

その息子や娘たちのことは

全く知らなかった

 

「類」は

森鷗外の息子の名前

 

文豪・森鴎外を

父に持つ類を主人公にし

森家の人々や

偉大な父を持ってしまった

類の人生が語られている

 

全てにおいて

「一流」を好んだ一家

 

当時の一般ピーポーでは

お目にかかれないような

ハイカラでおしゃれな

食べ物など等が

手に取るように描かれてます

 

鴎外はかなり優しく

決して子供達を叱らず

諭すように教えていたらしい

 

また、鷗外は花を育て、

愛でる生活を送っており

必然的に類も植物好きに

 

植物好きなまかてさん、

花畑や植物の描写も良かった

 

敬愛する偉大なパッパや

個性豊かな兄姉妹の陰に隠れて

目立たない主人公・類

 

青春時代を過ごしたパリで、

「人間は

楽しんでいいんだってことを、

僕はパリで生まれて初めて

発見しました」と

母に手紙を書いた類

 

偉大な家族を持つだけに

自分も何者かになりたい・・

という焦りは

あったのかもしれない

 

でも

何をしても姉達には敵わず

家族の中では

素の自分を出す事が

出来なかったのでしょう

 

戦争で財産を失っても、

浮世離れした感覚だけは抜けず

何にもなれない自分を

自ら「不肖の息子」と呼ぶように

 

生まれた時から

贅沢三昧に育ち、

鴎外が遺した遺産で

働かずとも生活し続け

どんなに困窮したとても

経済観念がない、というのは

やっぱり

根っからのお坊ちゃん

 

随所にも育ちの良さが

現れてます

 

登場する人物も

鴎外絡みとは言え、

斎藤茂吉、佐藤春夫、

与謝野晶子夫妻、

永井荷風、志賀直哉、

藤田嗣治、岡本太郎などなど、

明治から昭和にかけて

活躍した方々

 

実家にお金があって・・

植物が好きで・・

お金がなくても

自分の嗜好品は買う・・

まかてさん作品にもある

「ボタニカ」の主人公、

牧野富太郎氏を

思い出しましたヒマワリ

 

実家にお金があって・・

働いた事がなくても

生活が出来て・・

家族が皆成功して・・

 

前半は

自分も何物かになりたい、

と強く願いながらも

ふわふわ生きていたけれど

後半はブレずに

自分の幸せを掴んだように思う

 

素の鴎外や

個性的な母の子育て、

兄弟姉妹とのやりとりなど

まるで目の前にいるかのように

書かれている日常に

引き込まれ

あっという間に読了キラキラ

 

ページ数もさることながら

内容も読み応えたっぷり

 

まかてさんにハズレ無しキラキラ

 

装画の名前・・

ビックらポンでしたおーっ!

 

おまけ

8/15 4:51

日の出4:39 +1

 日の入18:38 -1

昼の長さ13h58m -3

 アップ28度ダウン23度晴れ

昼の長さ14時間を切ったガーン

大谷クン

アストロズ1―2エンゼルス

13日(日本時間14日)

「2番・指名打者」で先発出場

9戦37打席ぶり41号HR

ア・リーグ本塁打ランキングトップ独走

シーズン56発ペース

 

なりたい自分にちまけいでラブラブ

8/15 体内年齢:55歳

 BMI:21.0

昨日の歩数:7839歩足跡

無事過ごせて感謝ありがと

 

 

    
今日の格言
足ることを知ることこそが、
幸福である。
-森鴎外-