先生のお庭番

 

    

出版社 ‏ 

徳間書店 

初刷

2014/6/15

11刷

2022/2/5

言語 

日本語

文庫 

312ページ

定価

693円

カバーイラスト

水口理恵子

カバーデザイン

鈴木久美

ISBN-13

 978-4198938383

 

概略

ふいりっぷ、ふらんつ、

ばるたざある、ふぁん、

ずぃーぼると

 

それは

自分の事を

「コマキ」と呼ぶ熊吉の主

しぼると先生の名

 

🌱

 

江戸時代後期、

鎖国時代の出島

 

生まれたときから父が無く、

母も既に亡くなった、

15歳の熊吉は、

奉公している

植木商「京屋」の中で

一番下

それに学も十分にはない

 

ある日

オランダ商館で

薬草園を作るため、

園丁が欲しいと

「京屋」に依頼があった

 

誰もが

異国の雰囲気に怖気づき

一番年下の熊吉に

行かせることに

 

だが熊吉はひょんな事から知った

オランダ語に興味があり

この機会を

ずっと心の中で

望んでいたのだった

 

その心の内をおくびにも出さず

願い通り

オランダ商館へ

 

使える人は

医学や生物学を教えに

日本にやってきていた

「ふいりっぷ、ふらんつ、

ばるたざある、ふぁん、

ずぃーぼると」

 

しぼると先生・・

 

しぼると先生は

医術を日本に伝える為

自前で薬草を作り

又、日本の美しい自然を

故郷にも広げたいという

思いがあった

 

畝の代わりに

木枠を埋めたり・・

各薬草ごとに

相応しい土を入れたり・・

薬草への直射日光を

防いだり・・

 

熊吉は

何度も何度も

失敗しながらも

周囲にも助けられ

しぼると先生が

思いもつかない事を

次々とこなし

認められ成長していく

 

ただ熊吉然り、

日本人は自然と共に生きる

 

しかし先生含め、

当時の和蘭陀人は

自然と闘って

打ち勝とうとしていた

 

そんなしぼると先生に

ある疑いがかけられる・・

 

植物に対する扱いや価値観が

全く異なるけれど

熊吉はどこまでも

しぼると先生との絆を

信じるのだった

 

感想

熊吉の

草木に対する愛情と

しぼると先生に対する愛情が

まかてさんの

優くて細やかな表現で

とてもよく

伝わってきました

 

最初は

尊敬していたしぼると先生・・

でも次第に

すれ違いが起きるけれど

二人は草木を通して

日本の草花と国を

愛していた事は確かです

 

紫陽花が生まれた背景も

興味深く

今自分達が見ている紫陽花は

熊吉がいなければ

なかったんだと思うと

これから紫陽花の愛で方も

違ってくると思う

 

そして

こっふい、かすていら等の

西洋ことばもひらがなで

話し言葉の方言や

 

熊吉も「コマキ」

奥さんのお滝さんは

「オタクサ」

 

そういう呼び名も

可愛くてほのぼのでした

 

そういうほのぼのの一方、

しぼると先生が

日本に残したモノは多く、

 

後にしぼると先生が

アジサイ属の新種に

Hydrangea otaksa

(ハイドランジア オタクサ)」と

命名したり


※ただ、アジサイの学名は

シーボルトが命名する以前に

「Hydrangea macrophylla 

(ハイドランジア マクロフィラ)」

という名前で発表されていたので

オタクサの名前は認められなかったらしい

 

今では

出島の銘菓「おたくさ」にも

使われていたり

 

そして

しぼると先生と

お滝さんの娘・以祢(いね)は

日本人初の女医であり、

 

本書にもあるように

日本植物誌

『フローラ・ヤポニカ』で

世界に日本の植物を

紹介するなど

 

日本の為に

数々のモノコトヒトを

残してくれました

 

でもそのシーボルトを支えた

熊吉が賢く愚直であり

見返りを求めず

師であるシーボルトを

ひたすら信じていたからこそ

成し得た事だったのね

 

それにしても

「シーボルト事件」には

ビックらポン

ガーン

 

歴史の教科書で

さらっと習っただけで

実際何をした人だったのか

よくわかってなかった

 

まさか

シーボルトに巻き込まれて

処刑された人がいたなんて

心底驚いてしまった

 

 

しぼると先生曰く

「私が生まれた国の春はな、

これほどの色を持たぬのだ。」

 

彼は

当時と比べて今の日本を見ても

同じ事を言うのだろうか

 

そうそう、

NHK朝ドラ「らんまん」の

「万太郎」として

描かれているのが

日本の植物分類学の

基礎を築いた

牧野富太郎氏の事

 

東京都立大学牧野標本館には

牧野富太郎氏が作成した

貴重な標本があり、

その中に

熊吉の名が入った標本が

あるそう

 

何気に読んだ本だったけど

少しづついろいろリンクして

楽しく読めました

 

まかてさん、

本書も面白くて一気読み恋の矢

 

おまけ

4/29  4:55

日の出4:32 日の入18:32

昼の長さ14h00m 前日より+3

 アップ20度ダウン10度くもり

 

大谷クン

エンゼルス 8ー7 アスレチックス

27日(日本時間28日)

「3番・投手」で投打同時出場

投:6回8奪三振3安打5失点

打:5打数3安打1打点

 

なりたい自分にちまけいでラブラブ

4/29 体内年齢:56歳

 BMI:21.9

 昨日の歩数:8009歩足跡

無事過ごせて感謝ありがと

 

 

    
今日の格言
花は優しい。
見る人を慰めて
何も見返りを求めない。
-美輪明宏-