恋歌

    
出版社

講談社 

第1刷発行

2015/10/15

第13刷発行
2022/11/25

言語 

日本語

文庫 

384ページ

カバー装画

 MITA CO.,LTD./

amanaimages

カバーデザイン

川上成夫

ISBN-13

978-4062931915

概略

歌塾「荻の舎」の

門下生・三宅花圃が、

病院で療養している歌子に頼まれ

探しものをしていた時

ある書きつけを見つける


それは、

歌子の半生を綴った

手記だった

 

その手記を、

女中の澄と一緒に

読みはじめるところから

話は始まる

 

幕末、

水戸藩尊王攘夷派、

天狗党の志士である

林忠佐衛門以徳

(はやしちゅうざえもん

もちのり)

 

以徳は

 腕の立つ見眼麗しい男子

 

 

そんな以徳に

一目惚れした

池田屋の娘・登世は

その想いが通じて

以徳の妻となることが叶い

恵まれた商家の贅沢な生活を

惜しげも無く捨て、

爺や・清太郎と共に

水戸の林家へ

 

水戸藩は

困窮していた

 

それは

以徳の家でも同じ

 

登世の持参金も

あっという間に使い果たし

倹約の日々が生活が続く

 

以徳の妹・てつは

何かにつけて

登世を目の敵にするが、

清太郎がいるお陰で

何とか毎日を筒がなく過ごし

世間知らずな娘には、

幸福な日々だった

 

その頃水戸藩は、

天狗党と諸生党のに分かれ、

激しく対立

 

天狗党の首領・武田耕雲斎が

失脚すると、

天狗党の旗色が悪くなり、

てつの思い人で、

天狗党の急先鋒の

藤田小四郎は、

以徳らの説得に耳を貸さず、

同志を集めて筑波山で

勝手に蜂起してしまう

俗にいう「天狗党の乱」

 

その為

以徳ら天狗党穏健派は

諸生党から徹底弾圧を受け、

不本意ながら乱に

合流せざるを得なくなった

 

世の中を良くしたい、

という主義主張の違いから、

妻子までも殺戮しあう

天狗党と諸生党の内乱

 

農民までも、

他藩よりも重い重税に苦しみ、

それでも戦いは止まず

 

天狗党憎しの諸生党は、

登世やてつ並びに

天狗党藩士の妻子を

投獄しては虐待を加え、

順次処刑していった

 

抑圧された中での

飢えと虐待に加え

自分の斬首に

怯える日々

 

そんなある日てつから

以徳と登世は

正式な夫婦ではないと

告げられる

 

なので処刑を免れるよう

申告しなさいと

 

今まで黙っていたのは

独りで残されるのが

怖かったからだと

 

だが、登世は

以得を思い

清太郎を思い

てつを独りにせずに

てつとしのぐ事を決意する

 

そんなある日

突然解放されることに


牢獄暮らしを

何とか生き延びた

登世(中島歌子)は、

和歌の修行に励み


明治に入り、

私塾「萩の舎」を立ち上げて

成功を収める

 

そして、

死の病に侵された歌子は、

憎しみの連鎖を断ち切るために

ある遺言を認めた

 

感想

 樋口一葉の師であり

明治時代に歌人として活躍した

中島歌子

 

遺言に込めた登世の思いも

感動的

 

江戸との文化の違い、

小姑との諍い

さらに藩内抗争

 

凄まじいばかりの牢獄生活は

アウシュビッツかと思う程

 

水戸藩士・・

気にしていなかったけれど

そう言えば確かに

世間に名は出ていないが

 

多くの有為の人材を失わせた内乱が、

尊皇派でありながら水戸藩士を

明治新政府の顔ぶれから遠ざけた

原因がここにあった

 

が、なにもかも

後先考えない小四郎の思いが

原因なんだと思うと

やるせない

 

過酷な幕末を生き抜きいて

悲惨な歴史を見てきた登勢

 

いつでもどこでも

登勢の心にいると思えば

どんな苦労も厭わず

耐える事が出来た登勢

 

ただ一つ

以得が生きてた頃

思うように

返歌ができなかった・・

 

その思いがあり

和歌の世界に入るところに

登勢の以得に対する

深い深い愛情を感じた

 

登勢の一人語りではなく

弟子の花圃と女中の澄に

読ませている理由が

大矢博子さんの解説で

納得おーっ!

 

面白くて一気読み恋の矢

 

おまけ

 

4/10  6:32

日の出5:02 日の入18:10

昼の長さ13h08m 前日より+3

 アップ17度ダウン3度晴れ

 

大谷クン

ブルージェイズ戦

3番指名打者で出場

3打数1安打

エ9―5ブ

 

なりたい自分にちまけいでラブラブ

4/10 体内年齢:56歳

 BMI:22.1

     昨日の歩数:2340歩足跡

無事過ごせて感謝ありがと

 

    

瀬をはやみ

岩にせかるる

滝川の

われても末に

逢はむとぞ思ふ
川瀬の流れが速いので 

岩にせき止められた滝川が

分かれても

行く末でまた合流するように、

今はやむにやまれず

お別れすることになりますが、

再び出会って必ず一緒になりましょう

-中島歌子-