ルパン三世『LUPIN THE THIRD 次元大介の墓標』(2014)
(監督:小池 健 脚本:高橋 悠也)

『LUPIN THE THIRD 峰不二子という女』に続くルパンファミリー初期の話

タイトルに違わず次元メインの話
ルパンファミリーの声優陣が入れ替わる中、唯一代替わりなしで続いている次元大介
演技力が半端ない!渋い!

舞台は東西分裂したドロアという国
モデルは間違いないくかつての東ドイツ西ドイツ

マランダ共和国(オランダかしら?中立という言葉を振りかざすところはスイスっぽい)が東ドロアから譲り受けたリトルコメットという宝石を狙うルパンと次元
マランダ共和国大使に成りすますために大使の車を襲う
白バイ警官の変装で登場するがとても似合っていてカッコイイのだ

大使に化けるルパン、運転手に化ける次元
運転手の変装も渋くてカッコイイ

そして新聞を読むルパン
東ドロアの歌姫、クイーンマルタが西ドロアで暗殺されたという記事
次元は彼女の護衛をしていたらしいのだがあえなくやられてしまった
若いだけある、皆どこか未熟なのだ

後悔しつつも、気持ちを切り替え仕事
ルパンはそつなくリトルコメットに近づくが何故かなんのヘマもしていないのに警察が追いかけてくる
逃げるルパンと次元
「お前先に飛び降りろ」というが待ちきれなくて自分から背面飛びをして窓を突き破り飛び落りるルパン
アクションシーンが死ぬほどカッコイイ

すごい数の追手、発砲されながらも走って逃げる2人

街中で行き詰まる2人
車で逃げたい次元、小市民の車だぞと躊躇うルパン
ルパンの倫理観念は独特だ

しかしここは仕方ない
近場の車へ走るルパンと次元

ルパンは走っている途中、建物の飾りである幾多のガーゴイル像に目をやる
視線が気になるのか
日本ではお天道様が監視しているというが西洋ではガーゴイル像が悪事を監視し、不信者や悪人を食い殺すらしい

しかし、その間際だった
次元が狙撃される
建物の陰から出た瞬間だというのに肩を撃たれたのだ
狙撃手のカンからなのか、即座に狙撃手のいる方向を指差す次元
ルパンがみやると白いスーツの男、ヤエル奥崎
次元を引き摺り逃げるルパン
もう1発撃たれる
咄嗟に次元を放り投げたおかげで彼は無傷だがルパンは足に傷を負った

そのまま車の陰に隠れる2人
陰から飛び出す次元を撃つことが出来ても物理法則を無視して物陰の2人を撃つことは出来ない
さっさと退散するヤエル奥崎

ところ変わってルパンのアジト
治療を済ませた2人、色気が半端ない
ちなみに苦労して盗んだリトルコメットはスナック菓子の上に投げ置かれている
ガサツでカワイイ

摘出した弾丸を見る次元大介
やたらと細い、特徴的な弾丸
次元はクイーンマルタを撃った弾丸と同じだと言う
そしてヤエル奥崎の情報を話す
サイコロで使う弾丸の数決めてから仕事をする殺し屋だとか
そこでルパンがふと外を見て、ここのアジトを勘づかれたことに気づき逃走

次元に着いて逃げた先は墓地だ
そこで次元大介の墓を見つける
今作唯一、お前幽霊だったのかとふざけるルパン
冷たい次元、まだ信頼も友情もないビジネスパートナーなのだ

その墓に供えられたパセリを手に取り、不吉な花言葉を口にするルパン、さすがの博識

ここから先は俺ひとりでやるという次元
ルパンは次元に友情を持ち始めているのか、手伝いたがるが次元は拒んだ

しかしこっそりと次元に着いてくる
なぜ場所が分かったかと問う次元に先ほどのパセリからアネモネの香りがした、この辺りでパセリとアネモネが群生しているのはここだけだと平然と答えた
まさか潜伏先の地図だけではなく何処に何が咲いているだとか、近くの河川にかかる橋桁の高さだとかを皆把握しているのだろうか
バケモノか

手は出さないというルパンに仕方なく同行を許す大人な次元、譲歩は大事です

アジトの物色
沢山の同じスーツ、アニメのメタ的な部分笑
全部プラダ、次元はジバンシィやフェンディらしい(ルパンはアルマーニだとか)
どちらも高級スーツ、あの人たちスーツすぐ駄目にする割には高級スーツなのだ、カタギじゃない

そして銃の工房に、ロボット工房
只者ではないことがわかる
そして聞こえる不二子ちゃんの声

探せば、テレビ画面の中に捕まっているであろうハダカの不二子ちゃん
コンタクトを取るルパン

ショーガールとして潜入した先でしくじり捕まったのだ
あの赤いお衣装はとても似合ってました
髪型ツートンカラーでカワイイ、目尻の赤いアイシャドウも可愛すぎる〜〜〜!

可愛く、美人で色気はあるのだがどことなくいままでの作品の不二子ちゃんに比べるとどことなく幼げ
まだ大人の色気を手に入れきってない気がする

そんな若いだけ不二子ちゃんでもルパンの扱い方は心得ているようでルパンのプライドを刺激する様に語りかける
あなたには無理よ、助けに来ないでなんて言われたらルパンは意地でも助けに行ってしまうのだ
「ねーえ、俺を誰だと思っているの?」の言い方が素晴らしい、色気が溢れ出ている、クリカンも老練の域に達したか
山田ルパンの代わりから、唯一無二のルパンになったなと思った

そこへ現るヤエル奥崎
対峙する次元大介
次元の十八番であるリボルバーでの早撃ち勝負を持ちかける
了承したヤエル奥崎
早撃ちの次元が負けるはずないと余裕綽々のルパン
しかし負けるのは次元大介だ
次元のマグナムは大きく重く、ヤエル奥崎の銃は小型で軽量なのだから
2人は慌てて逃げる

恐らく、ヤエル奥崎が最初に出したサイコロの数字は人体に撃ち込む弾の数なんだろう
マシンガンでルパンたちの乗る車を撃ち抜き追うヤエル奥崎
明らかに6発以上飛んで来る弾にルパンは「サイコロで弾の数決めるんじゃねえのかよ」と叫ぶ、カワイイ

被弾しまくり、ルパンが屋根を蹴飛ばして外す
車はセルフオープンカーに笑
市街地へ逃げる2人、それでも容赦ないヤエル奥崎

2人は車を捨て、港を逃げる
2人してヘビースモーカーの割には息が切れなくて羨ましい
(私は2人より煙草の本数も喫煙年数もまだまだ少ないのに少し運動しただけで息が切れるぞ笑)

ここに少し伏線
逃走の最中、電灯の柱に触れるルパン(3度目の視聴中に気がつく)

コンテナの陰に隠れて、1、2の3で飛び出し逃げ出そうと提案するルパン
拒む次元、しかしやらざる得ない
ルパンの掛け声とともに走ってコンテナを抜けた
だが、待ってましたとヤエル奥崎は引き金を引いた
銃弾が次元の額を撃ち抜く

ルパンが倒れた次元を抱く
まだ絆は浅いでしょうに自分を責める辛そうな顔

そして自分を殺さないのかと問うルパンに依頼された男しか殺さないとその場を去るヤエル奥崎
そういう余裕はよくないぞ

過去編じゃなければ、ここで確実に次元が死んだと思いこみ泣いたでしょう笑
だが致命傷になる傷を受けてどう挽回するつもりだと手に汗握りつつ前半終了
濃度が高い

そして後半
裸の不二子ちゃん
油?ローション?の敷き詰められた水槽にひとり
周りで紳士淑女が食事を楽しみつつ観覧している

動揺していると、上から大きなロボットが降りてくる
そして襲いかかるロボット逃げる不二子、抵抗するも滑る油と巨体に太刀打ちできない
やがてロボットは凶器を出現させ、不二子ちゃんを殺しにかかる
その時だった
ようやく助けに来るルパン
警備員を倒しロボットの電源を落とす

一安心
ルパンは不二子ちゃんの元へ
しかしそこへショーを邪魔されたと怒り狂うピアニストが襲いかかる
凡人だからお前大した曲弾いてないだろうが!と思ってしまうが怒れるアーティストは怖いのだ
負けそうなルパン
流れ弾が不二子ちゃんの水槽に当たり、助けてもらったクセに文句を言う笑
ナカナカ敵に当たらない己の銃の腕前に、次元のようにはいかないかと自嘲するルパン

そして気がつけば、不二子ちゃんはいなくなっていた
ショーのオーナーがそれに気が付き慌てて先ほど彼女が盗もうとしたモノの場所へ行くと棚の中は空っぽだった

ライダースーツに身を包み、バイクで逃げる不二子ちゃん
ルパンはガン無視、2ndのようにはいかない

しかしたまたま、ルパンとピアニストが肉弾戦を繰り広げていた先にバイクで通りかかりルパンは抜群の運動神経で後ろに飛び乗って逃げた

ピアニストは不二子ちゃんのバイクの後輪で顔面強打、敗退

振り落とそうとしてきた不二子ちゃんにセクハラをして怒られたりしつつもちゃっかり目的地の墓地まで送ってもらうルパンがカワイイ

墓地の前でジタンで一服
燃焼速度が異常だが黒タバコは旨い
葉部分は白いがフィルターが茶色い、ジタン・ブロンドだろうか
ジタン・カポラル(全体的に白)は愛飲しているがブロンドは吸ったことがないのでいずれ吸ってみたいです

そして先ほど不二子ちゃんの胸を揉んだついでに盗ったとみられる手帳を取り出す
取り返そうとルパンに飛びつく不二子ちゃん超カワイイ、いなすルパンも最高

その手帳は、東ドロア政府が殺し屋に殺害依頼した人物をまとめた手帳だと不二子は言う
国家転覆も夢じゃないその手帳に大きな値段をつける人物は多いだろう
しかしルパンの興味の先は金額じゃなかった、その手帳から次元が暗殺された理由とヤエル奥崎の全てを知る

クイーンマルタは東ドロアが西ドロアへ戦争を仕掛ける理由が欲しいために西ドロアの刺客と装わせ東ドロアが殺したのだ

次元はそれに感づきそうだったから暗殺されそうになったのだ

その頃ヤエル奥崎は、ルパン三世と峰不二子の暗殺司令を受ける
次元の墓の周りに2人の墓標を立てて暗殺開始

夜が開けた
オープンテラスでコーヒーを飲むルパン
眼帯ルパン、カッコイイ、死ぬ
怪我の理由を店員は尋ねようとして、辞める
見るからにカタギじゃ無さそうな人物に余計なことを聞かないほうがいいのだ

そんなルパンを遥か遠くから狙うヤエル奥崎
使う弾は1発、しかし余裕綽々と言った様子で彼は引き金を引く
しかしだ、弾丸はルパンを大きく逸れた
それと同時に己が狙撃されたことに気がつく
後ろを振り向けば、死んだはずの次元大介!
ピンピンしている!
ルパンが余裕たっぷりに謎解きを始める

この街中、例えばガーゴイル像の中に監視カメラがたくさん仕掛けられているのにルパンは気づいたのだ
だから自分たちの犯罪もすぐに暴かれたしアジトもすぐに見つかってしまった
そしてそれらのカメラをジャックすることによってヤエル奥崎は物陰から出てきたばかりの次元を狙撃していたのであった

その事には次元暗殺前に気づいており、そのためにコンテナから飛び出す2人の背後にある電柱に触れ防犯カメラに細工していたのだ
恐ろしやルパン三世

再びリボルバーで対峙する次元とヤエル奥崎
ルパンはカフェを出て決闘を近くで見に行く、コーヒーのお代を置いて去るのは忘れない

先日、重たいマグナムを使う次元は軽い改造銃を使うヤエル奥崎に早撃ちで負けた
しかし今回は自信がある
弾と弾をぶつける作戦に出たのだ
軽い弾と重い弾ならば次元のマグナム弾が勝つ
そして見事、次元は己に向かってくる弾の軌道を変えつつヤエル奥崎の生命線である利き手を撃ち抜くことに成功したのだった
負けを認めるヤエル奥崎
ちゃっかり己とルパンが撃たれた場所と同じところを撃ったのは彼なりの復讐か笑

ラストシーン、バイクに乗る不二子ちゃんはルパンから手帳を取り返して去っていく

なんで東ドロア政府は戦争を起こそうとしたんだろうなと言うなんてことない次元とルパンの呟きに不二子ちゃんが返した
「みんなお金が大好きってこと」は名言

呆れるルパンを尻目に去っていく不二子ちゃん
しかしルパンは深追いをしなかった、それもそうだ
懐から本物の手帳を取り出した

不二子ちゃんはルパンの遊び心いっぱいな落書きで溢れた手帳を見て呆れて投げ捨てる
しかし峰不二子という女は一筋縄じゃいかない
懐からリトルコメットを取り出し私へのプレゼントだったのかしらと呟いて口付けた

最後に再びルパンと次元
この作品最高のラストシーン

ルパンはなぜクイーンマルタの暗殺司令書をマスコミに送ったのかと次元に問う
正義の味方のような行為をするような男とは思えなかったからか
「俺はただ、旨い煙草が吸いたいだけだ」と彼は答える
ルパンは「そりゃ気が合うねえ」と煙草を咥える
最高の表情だ

そしてルパンは暗殺司令書の記された手帳に火をつける

いいのかと問う次元にルパンは俺たちは別に正義の味方じゃねえと答えた

一介の泥棒と、一介のガンマン
そう認め合い、2人は手帳から煙草に火を移して手帳を投げ捨てると「格別な味だ」いかにも旨そうに煙を吐いた
くう、こちらも死ぬほど煙草が吸いたくなる素晴らしい描写
2人はもう相棒だ、ヤクザでいう盃をかわすのと同等の行為だ

そしてそんな2人を監視する、1人の男
「禁断の果実を口にしたな」と『ルパンVS複製人間』よりマモーだった
それから3人の墓標の前、傘をさして佇む銭形警部
それぞれ意味深なセリフを残し、エンディングへ

最高の映画でした、煙草吸いたいなあ