ロシアの周辺諸国を束ねて城壁とする。この方針でプーチン大統領は動いている。しかしながら発想は時代錯誤ですね。現代政治を考えていない。何か寂しいものを感じます。21世紀の世界政治の指導者というイメージが出てこない。ゴルバチョフ氏は何度もプーチン大統領を批判していましたね。旧ソビエット体制に戻ってはいけないと。ゴルバチョフ氏の政治哲学が理解できないから旧ソビエット体制に憧れるのでしょう。北朝鮮との軍事同盟を再確認してウクライナ戦争に加担していく。プーチン大統領の思考はウクライナ戦争を勝ち抜くための方策で頭が一杯のようだ。

 プーチン体制を支える基盤は天然ガスと石油ですね。国家資本を総動員してプーチン大統領は資源開発に成功した。この成功がプーチン大統領の強みです。インドも中国もロシアの周辺諸国は天然ガスと石油の恩恵を受けている。これがなければ、中国もトルコもロシアから離れていくだろう。地球温暖化対策で脱石油政策が世界的に浸透していけば、やがてプーチン構想は弱体化していくことは目に見えている。自然災害を頻発させる温暖化を如何にして抑制していくのか。これは大きな世界政治のスローガンですが、この政策は、ある面で一種の反面教師の要因を孕んでいるのです。つまり、石油資源国の経済力を弱めたいという戦略が存在するわけです。

 地球の温暖化は石油だけではないはずですが、 問題点を石油に集中することによって政治の道具にしたい思考が垣間見られます。これは大きな戦略があるからでしょう。やがて自動車産業はガソリンからオサラバしていくことになるでしょう。かつて石炭が石油に変換されたように石油から自然エネルギーへの転換が現実になっていく。石油産出国の政治経済力が弱体化していくことは歴史の流れです。21世紀は新エネルーの革新時代を迎える。これはハッキリしている。プーチン大統領の政治の基盤は間もなく崩れていかざるをえない。ロシアを守るのは周辺諸国を防衛のために要塞化していくというのは古いですね。このことの理解が浅いから時代錯誤が起こってくる。この点を強調したいですね。