米国の大統領候補者がバイデンかトランプか、二者択一になった。国民はどちらかを選ばなければならない。外交的にはウクライナやパレスチナ問題よりも対中国政策に焦点がしぼられそうだ。ネットや貿易問題、台湾政策で中國に圧力をかけて、国民の関心を引き付けようとしている。これらの三つの課題に関して言えば、バイデン氏とトランプ氏とでは強弱、濃淡の差があるとはいえ、同一次元での対応が迫られている。つまり、両者共に話題を逸らすことができない問題であると言えるだろう。

 受ける側の中国は今年中に思い切った政策転換をするべきだろうと思う。理由は、中国が戦前の日本の海外進展の失策を教訓として学ぶべきだと思うからだ。今の中国は戦前において日本が孤立していった状況と似てきたからだ。戦前、米国は日本を経済的に孤立させ、石油や資源確保のために日本は海外へ侵攻するしか脱出する道がなかった。つまり、経済的に締め付けられて経済構造が封鎖的になるように壁を作られたということだ。

 戦前の日本は明治維新以降の国家思想として天皇制中心の一元化思想に単純化してしまったからだ。教育思想、治安維持法、八紘一宇のもと大東亜共栄圏作りである。反対する勢力を犯罪者として反共思想で弾圧してしまった。こうなると天皇陛下万歳と言って、進むしか方策が残されなかった。この現代版、焼き直しがロシアのプーチン大統領の方針である。米国やNATOやEU経済圏はファッショ勢力であり、ロシアに政変を誘いかける悪という位置づけになってくる。プーチン大統領は専制権力を拡張することと並行して、ロシア国民の意識を教育してきた。だから、ウクライナ戦争では祖国を守れと国民に執拗に呼びかけている。

 このプーチン方式を真似るかのように中国の習近平国家主席も台湾問題を踏み絵にしてプーチン大統領と同じような統治方式を拡張させようとしている。ウクライナ問題と台湾問題を同一次元に考えたいのであろう。こうした政治優先思考は極めて危険であろう。戦争の危機を孕んでいるからだ。だから、習近平さんに君子豹変すべきと言いたい。政治主義優先ではなく、経済優先にするべき時が迫って来ていると言いたい。戦争はすべきではない。経済を発展させて、国内的、外交的矛盾を包摂していくしか未来はないと言いたい。

 台湾を政治的、軍事的に取り込むのではなく、経済的に包摂して、豊かな国作りをするべく、手のひらを返すように豹変してほしい。これは恥ずべきことではない。国民を平和に繫栄させるために君子が取るべき最善の策ではないだろうか。