獄死したナワリヌイ氏の葬儀に参加するのも決死の覚悟がいるようだ。死を悼んで花を献花するだけで拘束されるというロシア社会の現状を憂う。ここには個人の安心安全は欠片(かけら)もないようだ。国家の安全体制を維持する名目で政府を批判する人間を容赦なく拘束していく。プーチン大統領の政治思想に従順でない人間を排除して行こうする傾向は強化される一方のようだ。息苦しい雰囲気になってきたものだ。

 ロシアの自由と民主主義ために戦って獄死したナワリヌイ氏の死はロシアの政治史に不屈の戦士として刻み込まれた。誰も、この歴史的事実を無視できない。ロシアの若者が自由と平和を考える時、必ずやナワリヌイ氏の名前と獄死という反動的な政治的圧力によって死に至らしめられた政治体制について深く考えるだろう。もう、避けて通れない不幸な歴史的事実となったといえるだろう。謹んでナワリヌイ氏の獄死を悼みたい。